【EXPO2025特集】各紙誌の視点で見る「大阪・関西万博」 農村ニュース


未来の食と農を披露 生産者と消費者を近づける

 世界の最新の技術や文化が一堂に会する大阪・関西万博。その会場で、「未来の食と農」を発信しているのが、「未来の都市」パビリオン。クボタが担当しているエリアだ。

 同社エリアは全幅20メートルを超える天幕スクリーンと巨大LEDモニターが一体となった空間で、ダイナミックに自然と農業、豊かな食を演出。そこを舞台にSociety5.0の世界における“食と農業”の姿を表現した。

 それを実現するキーテクノロジーとして、会場では汎用プラットフォームロボットを披露。多くの来館者が関心を示し、「これがトラクタなの?」と斬新なフォルムに驚きを隠せない人も。同機はトランスフォーム(変形)と汎用性が大きな特長で農業だけでなく、土木、建設、災害現場でも活躍できる完全無人機で、そのコンセプトの説明を受けると、「それでは農家さんは何をするのか」と農業に対するイメージが覆された様子。

 中央のエリアで展開されたのは、未来の農業経営が体験できるシミュレーションゲーム「PLANET KEEPERS」。9人のプレイヤーがそれぞれの観点から”プラネタリーコンシャスな農業”を目指すもので、さまざまな選択肢の中から作物や、経営の手法、販売先、最新農業技術、連携パートナーなどを選び、未来に持続していく農業の形を探る。選択肢の中には環境への配慮や売り先を決めた生産活動、インフルエンサーとコラボしたプロモーションなど、新しい生産者像が投影されている。その中で提供される農業技術には、汎用プラットフォームロボットを使った群制御システムや育みロボット、土壌発電システムなどがあり、未来のテクノロジーが農業の可能性を広げる。

 もう1点、万博会場において、農林業分野で注目を集めたのが、6月8日から15日まで開催された農水省のテーマウィーク出展だ。6月5日から16日まで「食と暮らしのウィーク」と題し行われたテーマウィークの一環として、EXPOメッセ「WASSE」イベントホールで開催された。

 今回のブースのテーマは「RELAY THE FOOD~未来につなぐ食と風土~」と設定。これは「われわれ消費者は普段食べている食事を当たり前のものと思っているが、そこに警鐘を鳴らし、気付きを持っていただき、当たり前ではないこと、われわれ一人一人の努力でつなげていく」(クリエイティブを担当した株式会社ワントゥーテン澤邊芳昭社長)という思いで付けたという。

 会場は、「伝統をつなぐ」「多様性をつなぐ」「未来へつなぐ」の三つのエリア、合計18のブースに分け、「伝統」エリアでは、棚田や農業遺産などを、「多様性」エリアではお茶やいぐさ、ジビエなど多様な産物を、「未来」エリアでは、スマート農業技術などを紹介した。

 「未来」エリアでは、北海道大学がロボットトラクタの遠隔監視・操縦を披露。NTTグループの次世代ネットワーク「IOWN APN(アイオン オールフォトニクス・ネットワーク)」を用い万博会場と約1200キロ離れた北海道大学スマート農業教育センターのほ場を遅延なくつなぎ(北海道現地の様子をモニターで表示)、遠隔で操作。来場者も体験可能となっており、自らの運転で北海道のトラクタが動く様子に驚きの声があがっていた。

 この他にも会場は体験型の展示が多く用意され、生産者と消費者を近づける展示となっていた。

(農村ニュース)

未来の都市パビリオンでのクボタの展示
未来の都市パビリオンでのクボタの展示

 
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