
元気な地域大賞の表彰を受けた、滋賀県と同県の宿泊施設関係者ら
リクルート運営の旅行情報サービス「じゃらんnet」と観光に関する調査研究機関「じゃらんリサ―チセンター」(JRC)は23日、大阪市のリーガロイヤルホテル大阪ヴィニェットコレクションで、「じゃらんフォーラム2025(大阪会場)」を開いた。宿泊施設関係者ら約320人が参加。元気な地域大賞に滋賀県を選び表彰したほか、24年度に顕著な実績を挙げた近畿・北陸ブロックの施設を発表、表彰した。
同フォーラムは、毎年全国主要都市で開いているもの。今年は全国8カ所での開催予定で、大阪会場は9日の仙台に続く今年度2カ所目の実施。
冒頭あいさつしたリクルートの大野雅矢・旅行Division Vice Presidentは、じゃらんnetの国内宿泊予約総流通総額が前年比11%増の1兆3900億円と過去最高水準に達したことへの謝辞を述べた上で、「じゃらんは引き続き”総地域消費額”の増加を目指すべきゴールとして、じゃらんとリクルートのサービス活用を推進し、売り上げの最大化に取り組む」と力を込めて語った。地元と一体となっての地域資源を生かした体験型プランの造成などによる閑散期の需要創出や、セール施策の定期展開などが奏功した。
今年度は、じゃらんと施設発行の各クーポンの併用利用を可能にするほか、予約数や単価の高いゴールド会員向けの販売強化策を展開する方針。インバウンドについては、サービス経由の取扱額がコロナ前比約6倍に達したことなどを紹介。今後は(1)幅広いOTAとの提携強化(2)販促施策の拡充(3)カスタマーサポートの強化(4)マッピングミスの修正強化―を柱に取り組むとした。このほかセールエントリー管理画面の機能充実を図ることで、施設側の業務負荷削減も進める。
次いでJRCの沢登次彦センター長・とーりまかし編集長が「未来のこの街をもっと好きになる、『今から考える地域戦略』」をテーマに、同研究員の池内摩耶氏が「若年層に選ばれる宿とは?価値観と旅行スタイルから探るこれからの旅」をテーマにそれぞれ発表。沢登センター長は、(1)2040年未来予測からの視点(2)未来に向けた人材活用(3)新たな国内需要について―の三つについて説いた。このうち2040年の未来予測では、観光の担い手不足による人材の空洞化と環境変動による観光資源の変異・消滅、観光が他領域と溶け合う時代となっていくだろうとの考えを披露。それらの変化に向けた取り組みのヒントとなる事例として、JRCと雪国観光圏による「帰る旅プロジェクト」や那須町DMOとの従業員コミュニティポータルサイトの導入などを紹介した。
じゃらんアワードでは、各賞地域・施設の表彰式を実施。地域の良さを生かした魅力的な取り組みを行った地域を顕彰する「じゃらん OF THE YEAR 元気な地域大賞」には、世界農業遺産「琵琶湖システム」の認知拡大を目的に、生産者と地域事業者が一体となっての地域食材を使ったグルメ「びわ湖魚グルメ」の開発と発信に取り組んだ、滋賀県を選んだ。表彰式であいさつした滋賀県農政水産部みらいの農業振興課地域農業戦略室の橋本理史・参事兼戦略推進係長は、「議論を重ねながらびわ湖魚グルメを進めてきた2年間の取り組みが受賞の運びとなりうれしい。9月からは当県で約50年ぶりに国スポ・障スポが開催される。ぜひこの機会に店に立ち寄り、食べて支援していただければ」と語った。
近畿・北陸ブロックの表彰施設は以下の通り。
ベストプランニング賞=山中温泉 お花見九兵衛「【創る会席~メインは能登牛すき焼き~】『石川の美味しいもの』×『自由に楽しく』がテーマの新スタイル」▽じゃらん OF THE YEAR 泊まってよかった宿大賞<総合>=50室以下・Auberge SOWAKA、51~100室・金沢 彩の庭ホテル、101~300室・ホテル阪急インターナショナル、301室以上・ホテルヴィスキオ京都by GRANVIA▽じゃらんOF THE YEAR 売れた宿大賞=10室以下・香住 日本夕日百選の温泉宿三七十館、11~50室・有馬温泉 有馬ロイヤルホテル、51~100室・淡路島洲本温泉 海月館、101~300室・大江戸温泉物語 箕面観光ホテル、301~500室・グランドメルキュール淡路島リゾート&スパ、501室・アパホテル&リゾート<大阪梅田駅タワー>
元気な地域大賞の表彰を受けた、滋賀県と同県の宿泊施設関係者ら