大林組、バンコク中心地に高級ホテル  西武・プリンスホテルズワールドワイドが運営


大林組タイ法人とサハグループが合弁会社設立

 株式会社大林組のグループ会社であるタイ大林は6月30日、タイの総合消費財大手サハグループの中核会社であるSaha Pathana Inter-Holding Public Company Limited(SPI社)と共同で、ホテル事業を行う合弁会社「Ratchadamri Hospitality Management Co., Ltd.(RHM社)」を設立したと発表した。

 タイ大林とSPI社は、バンコクの中心地にある高架鉄道BTS「ラチャダムリ」駅に直結する場所で大規模複合開発プロジェクトを進めている。同プロジェクトでは、地上36階建てビルの上層階(26階~36階)に約200室の客室を備えたホテルが計画されている。2029年度中の開業を目指す。

日本のホテルブランド「西武・プリンスホテルズ」が運営

 RHM社は株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイド(SPW)とホテル運営に関する基本合意書を締結した。SPWは西武グループの中核会社で、プリンスホテルをはじめとする国内外の宿泊施設、スキー場、ゴルフ場などのレジャー施設を運営する日本有数のオペレーター会社だ。

 ホテルのコンセプトは「Garden in the Sky」。ルーフトップバーやインフィニティプールからバンコク市内の絶景を楽しめるほか、個室を備えた本格的な和食レストランも設置する。日本のホテルブランドならではのおもてなしと癒しの空間を提供することで、ホテル滞在を通して新たな活力を提供するホテルを目指している。

 SPWは「日本をオリジンとしたグローバルホテルチェーン」を掲げ、今後、国内外250ホテルへの成長を目指している。世界中の観光客が集まるバンコクでのホテル運営により、ブランド認知度を向上させ、グローバルネットワーク拡大を加速させる計画だ。

タイ大林とサハグループの連携強化

 合弁会社RHM社の資本金は26億タイバーツで、出資比率はタイ大林が60%、SPI社が40%となる。タイ大林はサハグループの新社屋の施工を担当するなど、SPI社との良好な関係性を築いてきた。今回のプロジェクトを同社と共同で開発・経営することで、両社の結びつきをより強固なものとする狙いがある。

 サハグループはタイ王国の大手財閥グループで、食品・飲料品、化粧品・海外ファッションブランドなどを中心に事業展開しているコングロマリット。国内外に300社超のグループ会社を有し、日系企業との合弁会社設立や業務提携を積極的に進めている。今回パートナーとなるSPI社はサハグループの中核企業であり、投資・不動産・工業団地開発および運営を中心に事業展開している。

 バンコクは世界の渡航先ランキングでトップを誇っており、外国人観光客の増加に合わせてホテルの開発計画が相次いでいる。ホテルマーケットはさらなる拡大が見込まれている。

プロジェクト概要

 今回の複合開発プロジェクトはタイ大林旧本社ビル(通称:ナンタワンビル)と隣地を含んだ敷地で実施される。敷地面積は約9,804㎡、延べ面積は約117,650㎡で、地上36階塔屋2階、地下3階の建物になる。用途はオフィス、ホテル、商業、駐車場を予定している。

 計画地は、バンコクの中心地にある高架鉄道BTS「ラチャダムリ」駅に直結しており、ビジネス・レジャーに便利な場所に位置している。また、都心部にありながら南側、西側に緑豊かな景色が広がる眺望が最大の特徴だ。

 タイ大林は1964年に大林組が開設したバンコク出張所を前身として1974年に設立され、昨年50周年を迎えた。さらなる事業拡大を目指して、不動産開発事業やビルメンテナンス事業にも参入し、建設の枠を超えて幅広いステージでお客様をサポートできる体制を強化している。

 今回のプロジェクトは、タイ大林が創業以来培ってきた技術と知識をレガシーとして受け継ぎつつ、新しい技術の導入を積極的に検討し、次の50年に向けた新たな大規模開発プロジェクトと位置づけている。

 
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