
道の駅隣接し連携
積水ハウスが地方創生事業「Trip Base 道の駅プロジェクト」で展開する、マリオットブランドの宿泊特化型ホテル「フェアフィールド・バイ・マリオット」(フェアフィールド)のメディア向けファムツアーが5月13~15日に開催された。京都府南山城村と奈良県天理市にあるフェアフィールドを拠点に、「地域文化」と「ウェルネス」をテーマにしたアクティビティなどを紹介。宿泊にとどまらないホテル滞在の在り方を提案aした。
フェアフィールドは、1987年に米国でデビューしたマリオット・インターナショナルのホテルブランド。米国を中心に、世界20カ国・地域で1300軒以上、日本国内に31軒のホテルがある。このうち29軒が積水ハウスによる道の駅プロジェクトのホテルで、道の駅の隣などに立地しているのが特徴だ。
宿泊特化型ではあるが、地域の知られざる魅力を渡り歩く旅のスタイルを提案しているのが特徴。「未知なる日本をクエストしよう」をコンセプトに、道の駅に隣接する立地を生かして、道の駅で食事を楽しめるようにしたり、フロントフロアに配置したソファセットなどがあるコミュニティスペースを活用して、宿泊客同士がコミュニケーションを楽しんだり、地域の人を巻き込んだ交流イベントを開催したりしている。
館内にレストランはないが、地元のクラフトビールや地酒、フィンガーフードなどを販売しているほか、道の駅や地元の食事処などと提携し、土地の名物などを盛り込んだ特製の朝食ボックスも有料で提供する。
特製の朝食ボックス
ファムツアーは、JR京都駅を発着地に、道の駅お茶の京都みなみやましろ村に隣接するフェアフィールド・バイ・マリオット・京都みなみやましろ、道の駅なら芸術文化村に隣接するフェアフィールド・バイ・マリオット・奈良天理山の辺の道に宿泊する内容。「ウェルネス」をテーマに、お茶の生産現場や、薬草をテーマにした古民家宿でのリトリート体験、山の辺の道のハイクなどを組み合わせ紹介した。
道の駅お茶の京都みなみやましろ村に隣接するフェアフィールド・バイ・マリオット・京都みなみやましろ
道の駅芸術文化村(左)とフェアフィールド・バイ・マリオット
このうちフェアフィールド京都みなみやましろでは、道の駅お茶の京都みなみやましろ村を運営する南山城社の森本健次社長らがアテンド。新茶の季節という1年で最も大切な時期のため通常では入ることが難しい茶畑を訪れ、茶摘みや生の茶葉を使ったお茶づくり、同村内の辻本製茶工場での製茶過程見学と生産者との交流を行った。
茶畑で、茶摘みや茶づくりを体験
体験ツアーは森本氏らがつくる、地域の暮らしを体験、交流できるプロジェクト「むらびとらべる」などで、体験型コンテンツとして販売する予定。
フェアフィールド京都みなみやましろでは、現在年4回ほど日本茶インストラクターを招いてのお茶の飲み比べイベントなどを実施しているが、今後は、むらびとらべるの体験型コンテンツとの連携を進めたい考え。森本社長は「南山城にマリオットブランドのホテルがあることは心強い。ホテルをきっかけに南山城に来て、地域の魅力に触れてもらえれば」と期待する。
南山城村は、京都府と三重県、奈良県の県境に位置することから、同ホテルを拠点に三重県伊賀市への観光拠点としても利用可能。伊賀忍者の里としてだけでなく、日本酒やみそ、しょうゆの醸造元も多く残る同地では、今年新酒鑑評会で金賞を受賞した「半蔵」の蔵元見学や直売店での試飲体験なども可能だ。
2日目には、奈良・宇陀市の古民家宿「うだ薬湯の宿やたきや」を訪れ、敷地内で栽培した有機野菜や薬草「大和当帰」などを使った創作イタリアンを味わったほか、敷地内の里山や薬草園、近隣の鎮守社などを回って軽いストレッチなどを行う「観天望気ツアー」を体験。
3日目はフェアフィールド・奈良天理山の辺の道を出発し、ガイドと共に国宝・七支刀で知られる石上神宮から、地獄絵や庭園美で人気の長岳寺まで、山の辺の道の一部を散策。道の駅なら芸術文化村で文化財の修復現場を見学したほか、宗教都市・天理のシンボルともいえる天理教協会本部を訪れた。
「フェアフィールド・バイ・マリオット 道の駅プロジェクト」の中本陽子マーケティング部長は、「地域の方と連携して利き酒イベントやオリジナルツアーなどを行い、ホテルを通して旅の提案をしていきたいと考えている。地域経済の活性化やオーバーツーリズム対策ともなる需要分散、SDGsにもつながる。フェアフィールドはさまざまな層に使っていただきやすいホテルなので、多くの方に認知してもらい利用につなげたい」と語った。
フェアフィールドではスタンプ帳と各ホテルのオリジナルスタンプを用意。集めたスタンプの数によって、地域産品や宿泊券を贈るスタンプシステムも実施し、地域への周遊を促す考えだ。