
井上会長
全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連)は16日、東京の全国旅館会館で通常総会と理事会を開いた。2年間の任期満了に伴う役員改選で井上善博会長(福岡県・ほどあい の宿六峰舘)の続投を承認。2期目となる井上体制は従来の5委員会から8部会に体制を拡充し、宿泊業界が直面する諸問題に対応する。
井上会長は「業界を取り巻く課題は多岐にわたる。部会を増強し、これらに対応する」と強調した。
2025、26年度は8部会を設置する。
第1部会「組織戦略部会」は全旅連における総務的中核部門として、既存制度の検証、必要な制度設計を行い、組織全体の意思決定力と実行力の強化を図る。
第2部会「『湯・宿』文化推進部会」は「温泉」と「宿(旅館)」の文化的価値を国内外に広く認知させる活動を行う。
第3部会「観光グローバル人材推進部会」は外国人採用に向けた宿泊業技能試験の受験者数拡大や、採用に関わる情報発信の手法を検討する。
第4部会「宿泊料トラブル対策部会」はキャンセルやノーショー(無断不泊)など宿泊料の請求に関するさまざまなトラブルの解決策を協議する。
第5部会「シルバースター部会」は高齢者などさまざまな人に優しい宿の登録制度「シルバースター登録制度」の登録施設増強、認知拡大に取り組む。
第6部会「組織力向上部会」は業界の地位向上、組織力強化を目指して組合員の増強とメリット創出を進める。
第7部会「地域共創事業部会」は業界の認知度と社会的地位の向上を目指し、さまざまなイベントや広報活動を行う。
第8部会「シン・価値創造部会」は全旅連の組合員約1万5千軒のスケールメリットを生かし、業界の新たな価値を生み出すための活動を行う。
第8部会は災害時に宿泊施設を2次避難所として利用できるよう、施設の被害や被災者受け入れ可否の情報を登録してもらう全旅連の「災害時連携システム」について、多くの登録が行われている福岡県と長崎県の好事例を横展開するための啓蒙活動を行う。今年10月31日までに全組合員の50%の登録完了を目指す。
来年の第104回全国大会は6月17日、京都府で開催する。会場は京都市のウェスティン都ホテル京都。通常総会は前日の16日、同市のザ・サウザンド京都で行う。
総会で承認された主な役員は次の通り(敬称略、カッコ内は所属都道府県)。
会長=井上善博(福岡県)▽会長代行=西海正博(北海道)▽副会長=小井戸英典(福岡県)、中村実彦(長野県)、工藤哲夫(東京都)、加藤賢二(静岡県)、土田耕一(福井県)、利光伸彦(和歌山県)、有本隆哉(広島県)、藤本正孝(高知県)、西上佳孝(熊本県)
井上会長