
講演で物価情勢について語る植田総裁(6月3日、都内、代表撮影)
日本銀行の植田和男総裁は6月3日、金融政策運営で重要視する基調的な物価上昇率について、「2%(物価安定目標達成)に向けて高まっていく」との見方を改めて示し、段階的な利上げ姿勢を訴えた。東京都内で開いた「内外情勢調査会」の講演で語った。
植田総裁は講演で、日銀が掲げる物価目標水準に向けて高まる基調的物価の姿を植物の成長に例え、「2%の達成に向けた『芽』は育ち続けている」と形容した。半面、世界経済を取り巻く米トランプ関税の影響については、「我々(日銀)の事前の想定を上回るインパクトを及ぼしている」との現状認識を述べた。そのうえで、「各国の通商政策を巡る不確実性は高い状況が続く」とし、様々な統計データやヒアリング情報を予断を持たず「丁寧に確認する」姿勢を繰り返し表した。【記事提供:ニッキン】
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