
記念撮影に応じる(右から)金剛一智宇陀市長、山下知事、吉岡さん、八津さん、上田清大和郡山市長、中川裕介高取町長
2026年のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」の主舞台となる奈良県。奈良観光をアピールする絶好のチャンスと捉え、県と県内の自治体などは観光推進協議会を立ち上げた。5月29日、奈良市内の県観光コンベンションセンターで設立総会と記念セレモニーが開かれた。
同ドラマは来年1月から放送される予定。豊臣秀吉の弟「秀長」が主人公で、兄の秀吉を支える姿を描く。秀長役は俳優の仲野太賀さんが演じる。
同協議会は県や、秀長が城主を務めた城があった大和郡山市、宇陀市、高取町などの自治体のほか、県ビジターズビューロー、各観光協会、商工会、JR西日本、近畿日本鉄道、奈良交通などで構成する。
会長は山下真知事、副会長は大和郡山市の上田清市長、監事はビジターズビューローの中西康博専務理事が就いた。今後、3市町での大河ドラマに関連したイベント開催や県外で行われるプロモーションイベントなどへ出展する予定。
奈良県が大河ドラマの舞台になるのは、1971年に放送された「春の坂道」以来、2回目となる。山下氏はあいさつで、「三つの市町には秀長公に由来する城があり、それにまつわる観光を盛り上げるまたとない機会となる。大河ドラマはスタートダッシュが重要と聞いており、今年からさまざまな取り組みを行っていきたい」と抱負を述べた。
この日は記念セレモニーが行われ、脚本を担当する八津弘幸さんと、秀長の妻「慶」役を演じる吉岡里帆さんが登場、ドラマにかける意気込みなどを語った。
八津さんは半沢直樹や下町ロケットなど、多くのヒットドラマを手掛けている。「奈良は修学旅行以来、足を踏み入れたことはないが、シナリオを書くにあたっていろいろなところを見せてもらった。これからどう描くか、見えていない部分もあるが、見終わった後に元気になれるドラマにしたい」と述べた。
京都出身で、大河ドラマ初出演となる吉岡さんは「奈良に来ると『こんなに古いものがちゃんと残っているのか』と感動することが多い。大事に守られてきたものをたくさん吸収して、撮影に気持ちを乗せていきたい」と意欲を示した。
のちに智恩院と呼ばれる慶はほとんど記録が残っていないことから、吉岡さんは「もし何か知っていることがあれば教えてください」と参加者に呼びかけていた。
記念撮影に応じる(右から)金剛一智宇陀市長、山下知事、吉岡さん、八津さん、上田清大和郡山市長、中川裕介高取町長