JR東日本、新「夜行特急列車」を2027年春に導入 


新たな観光需要を創出

 JR東日本は10日、グリーン車個室タイプの座席を備えた新たな夜行特急列車を2027年春に導入すると発表した。E657系特急型車両1編成を改造し、全席をグリーン車個室タイプにすることで、長時間の移動を快適に過ごせる空間を提供する。運行エリアは首都圏から北東北を予定しており、時期により変更もあるという。

 列車は全10両編成で定員は約120人。1人用から最大4人用まで複数タイプの個室を設け、全室で座席をフルフラットにできる仕様だ。

新たな夜行特急列車

エクステリアデザイン(1号車側先頭車)

エクステリアデザイン(10号車側先頭車)

 

車両編成(イメージ)

「ブルーモーメント」をイメージした2色の青が特徴

 車両のエクステリアデザインは特徴的な青の2色使いが目を引く。1号車側には夜行列車(ブルートレイン)の記憶を受け継ぐ明るい青「メモリアルブルー」を配置。一方、10号車側には夜明け前の時の流れを象徴する濃紺「ミッドナイトホライズン」を採用した。2色の青と白いラインによって夜明け前の一瞬の輝き「ブルーモーメント」を表現している。

 インテリアは「シンプルでありながら上質な移動空間」をコンセプトに設計。特に上質な「プレミアムグリーン個室」は1号車と10号車に配置され、1人用と2人用がある。室内には靴を脱いで過ごせるL字型ソファを設け、座面を組み替えることでフルフラットのベッドスタイルまで変更できる。2人用個室のフルフラット面は幅190cm×長さ200cm程度の広さを確保した。

プレミアムグリーン個室(2人用個室座席使用時)

 標準的な「グリーン個室」は1人用、2人用を用意。1人用は幅90cm×長さ195cm程度、2人用は幅185cm×長さ200cm程度のフルフラット面を実現した。座席生地にも工夫があり、1人用には落ち着いた色味、2人用には華やかで親しみやすい配色を採用している。

グリーン個室(1人用個室座席使用時)

グリーン個室(1人用個室フラット使用時)

グリーン個室(2人用個室座席使用時)

グリーン個室(4人用)

 家族や友人グループ向けには4人用個室も設置。常時フルフラットの構造で、最大4人が横になれる幅325cm×長さ195cm程度の広さを確保した。小さな子ども連れの家族にも安心して利用できる設計だ。

 また、5号車には開放的で落ち着きのあるラウンジスペースを設置。旅のひとときを他の乗客と共有したり、グループでの語らいの場として活用できる共有空間となる。さらに販売スペースも併設する予定だ。

 車いす利用者への配慮も行われ、6号車に1人用と2人用の車いす対応グリーン個室が計2室用意される。

 車両のデザインは株式会社JR東日本建築設計が手がけた。同社はこれまでに「SLばんえつ物語」など「のってたのしい列車」を含む車両デザインの実績がある。

 列車の名称や運行ダイヤ、利用料金などの詳細は今後発表される。JR東日本は「夜行列車による日常を離れた旅の体験を通じ、鉄道で旅をするワクワクした気持ちを多くのお客さまに思い起こしていただく」とともに、「運行を通してJR東日本エリアの豊かな自然や文化を国内外に発信し、観光の活性化を目指す」としている。

 なお、今回発表されたデザインは2025年6月時点の検討イメージであり、今後の検討や車両改造の過程で変更となる可能性がある。

ラウンジ

 
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