奈良県は27日、大阪・関西万博会場内で「ALL NARA FESTIVAL」を開催した。3日間の日程で、奈良の伝統文化や食、工芸品を一堂に集めた内容だ。初日から1万6000人が来場。奈良の魅力を国内外に広くアピールする。
山下知事が開会宣言 ニッポンの社長も登場
オープニングイベントには、お笑いコンビ・ニッポンの社長がゲスト出演。奈良県生駒市出身のケツさんが地元トークを披露し、会場を沸かせた。山下真知事も登壇し、「奈良が1000年以上かけて守り、育ててきた文化や伝統を披露できることを誇りに思う」と述べ、開会を宣言した。
メインステージでは、春日大社の祭礼「春日若宮おん祭」が再現された。900年近い歴史を持つ国の重要無形民俗文化財だ。内大名行列や社伝神楽、猿楽、舞楽などが奉納され、はじまりの地・奈良から日本文化の深遠さを発信した。
サテライトステージでは「時代をつむぐ奈良」をテーマに多彩なセッションを開催。万葉集シリーズ作者の佐々木良氏らが、藤原飛鳥の文化的価値を語った。書道パフォーマンスも実施され、奈良で育まれた書道文化の新たな表現に注目が集まった。
伝統芸能の新しい形として、「FUTURE 能 -NOH STAGE 不二之舞 大和に神、集いて」を上演。人間国宝の金剛永謹師が出演し、デジタルアートと現代音楽を融合させた革新的な能楽パフォーマンスを披露した。世界的アーティストとの共創により、伝統と革新が融合した壮大な舞台となった。
会場では奈良の食や酒、工芸品を楽しめるフェスも開催。地元の美味しいものが集まった飲食ブースや、靴下、雪駄などの名産品ゾーン、工芸体験ができるワークショップなど、五感で奈良を体験できる内容となっている。
「ALL NARA FESTIVAL」は29日まで開催。大阪・関西万博奈良県実行委員会が主催し、EXPOアリーナ「Matsuri」で実施される。参加には万博会場へ入場するためのチケットが必要だ。詳細は公式サイト（https://expo2025.pref.nara.jp/festival/）で確認できる。
