
タップの吉田社長
観光業界が直面するさまざまな課題解決へ
人手不足や増え続けるインバウンドへの対応など、観光業界が直面する課題の解決に、デジタル技術を生かしたさまざまな商品・サービスが提供されている。ここでは「観光DX」を実践するための各種システムを紹介する。
ホテル・旅館専門の総合エンジニアリング会社のタップは、看板商品であるPMS(ホテル管理システム)を刷新する。同社の吉田社長に取り組み状況を聞いた。
――具体的にどのような計画ですか。
「現在のPMSは15年以上前に開発されたJavaベースのもので、幅広い宿泊施設に対応できる半面、機能が多様なゆえに複雑で使い勝手に課題があります。そこで新PMSを開発し、いくつかの機能ごとのフェーズで導入します。フェーズ1では、ユーザーインターフェース(UI)とユーザエクスペリエンス(UX)を改善し、直感的に操作できるようにします。PMSの中身はそのままですが、使い勝手を大きく向上させます。最終的には、PMS全体を機能の選別も取り入れた新システムにリプレイスします」
――UI/UXの改善とは。
「スマホアプリのような直感的な操作性を実現します。ダッシュボード機能でデータをビジュアル化したり、メッセージ機能を追加したりします」
――その後のフェーズでは。
「ホテルオペレーションの変化に対応して機能を選別し、基本機能はシンプルなPMSを目指します。クラウドベースで、ブラウザからアクセスできる環境にすることで、導入・運用コストの低減も図れればと考えています。また個別の施設に応じて、必要な機能はオプションとして提供することで、宿泊施設のニーズに合わせた柔軟な対応を可能にいたします」
――スケジュールは。
「フェーズ1は25年度秋以降、最終的な全体スケジュールは計画ですが、できるだけ早期に進めたいと思っています。新PMSでは、ユーザビリティの改善、そしてシステムの刷新と構成変化によって、顧客満足度向上とコスト削減を実現します。それによってさらなる市場シェアの拡大を目指します」
タップの吉田社長