【EXPO2025特集】SDGs認証の重要性提言 サクラクオリティの北村代表が講演


北村剛代表

 サクラクオリティマネジメント/日本ホテルアプレイザルの北村剛史代表は8日、大阪・関西万博のフェスティバル・ステーションで、対話型ワークショップ「観光宿泊市場における今後のSDGsの意義と動向~サステナビリティが切り開く新たな可能性~」を行った。国内外の宿泊産業におけるSDGsの取り組みや認証制度を解説した上で、日本ならではの取り組みの意義や効果について語った。

 日本みどりのプロジェクト推進協議会(会長=阿部守一・長野県知事)が7、8の両日実施した、「One Green in EXPO2025」の企画の一環。

 北村氏は、世界のSDGs対応の現状を解説。認証ラベルが乱立する中で、認定組織によるものかどうかなど、認定制度が厳格化する流れになっている現状を紹介。また2030年までに国内約1万軒の宿泊施設がGSTC認証を受けなければいけないと法令で決めたトルコなどの先進事例も示した。

 その上で日本のホテルのSDGs対応などを説明。同社が認定するSDGs認証制度「サクラクオリティグリーン」の認証を受けた施設の取り組みなどを紹介。

 日本流サステナブル対応の強みとして、

(1)「改善」を繰り返す中で生まれる「協調性や調和性」
(2)地域との高度な連携(日本版DMO等を含む)
(3)自然に生かされたわれわれがどのように自然に貢献するのか※日本はそもそも循環社会(里山文化など)※漁業法などの法規制の整備※自然崇拝
(4)文化を守るそもそもの意識の高さ

―を挙げた。このうち(1)については、スタッフが他のスタッフや施設を見て取り組みを加速させることを、日本の特長として挙げた。また北村代表は「日本人はSDGsを特に意識しなくてもすでに基準をクリアしている事項が多いことから、(サクラクオリティグリーンの認証でも)1年半で170施設に認証を出すことができた」と説明した。また認証に向けて、認証ラベルの利用者への認知度向上の必要性や、100%サステナビリティの達成が難しい地産地消メニューへの対応などが課題であるとした。

 北村代表は「気候変動の大きな動きにつながる『1・5℃ティッピングポイント』を目前にしてもあきらめずに取り組むことが重要だ。ある政治学者が、人口の3・5%が非暴力で動けば社会は変わると言った。一宿泊施設で関係者やお客さまなど400人への波及効果があるとすれば、現状は認証170施設で日本の人口の0・05%にしか取り組みが波及していない。約5万施設の国内の旅館ホテルのうち、1万2千施設が認証に向け取り組んだり、認証を受けたりするようになれば、国民の3・7%相当。社会からの合意を得られてイノベーションを起こせる。宿泊業界から日本の社会を変えていこう」と訴えた。


北村剛代表

 
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