
群馬県立日本絹の里(高崎市)は特別展「石原清紫展―花園に遊ぶ友禅染―」を5月24日から7月6日まで開催する。
石原氏は同県伊勢崎市出身の友禅作家。手描き友禅染工房で働いたのちに転職するが、左目を失明したことを機に、再度下絵の仕事に就いた。1998年に同市に戻ってから、染め加工の勉強を始め、着物と帯の展示や受注制作のほか、ステージ衣装制作、書籍の装丁、展示会の企画運営など幅広く活動。全日本きもの振興会会長賞ほか、全日空「私の青空」国際環境絵本コンクール審査員特別賞などを受賞。
友禅染は、着物や帯を染める伝統的な技法の一つ。布の上に柄を描く際、輪郭を防染糊(のり)で線描きすることで、色同士が混ざらず、絵画と同様に模様を描けるのが特徴。
同氏の作品はこの技法を用いて制作されており、草花を抽象化したデザインが描かれている。
作品の展示以外にも、制作過程を間近で見学できる制作実演会や、友禅染で描かれた紙芝居ならぬ「絹芝居」の読み聞かせ(要予約)、繭を使った花のストラップ作りなど、見て触って友禅染を学べるイベントも充実している。