
業界最高水準の収益力を誇る
エミレーツ・グループは8日、2024-25年次報告書を発表し、過去最高となる227億ディルハム(62億米ドル)の税引前利益を計上したことを明らかにした。売上高も過去最高の1,454億ディルハム(396億米ドル)に達し、前期比6%増となった。
エミレーツ航空単体でも、税引前利益が過去最高の212億ディルハム(58億米ドル)を記録。売上高も1,279億ディルハム(349億米ドル)と過去最高を更新した。これにより、エミレーツ航空は2024-25年期において世界で最も収益性の高い航空会社となった。
グループ全体の業績好調の背景には、エミレーツ航空およびdnataの両社が世界中で事業を拡大し、高品質な製品とサービスに対する旺盛な需要に応えたことがある。特に、オーストラリア、ヨーロッパ、UAE、イギリス、アメリカといった主要市場での事業拡大が奏功した。
エミレーツ航空は当期、新たにボゴタとマダガスカルの2都市への就航を開始。プノンペン、ラゴス、アデレード、エディンバラへの運航も再開した。3月31日時点で、80の国と地域、合計148都市に就航している。コードシェア提携は33社、インターライン提携は118社に拡大し、1,750以上の都市へのアクセスを提供している。
また、エアバスA350型機を新たに導入し、プレミアム・エコノミークラスなどの人気商品や新世代の機内エンターテインメントシステムを搭載。需要に応えるため輸送能力を強化した。3月31日時点で、A350型機を4機保有し、エディンバラ、アーメダバード、バーレーン、コロンボ、クウェート、ムンバイへの路線を運航している。
dnataも全事業部門で堅調な業績を上げ、税引前利益は前期比2%増の16億ディルハム(4億3,000万米ドル)となった。売上高は前期比10%増の211億ディルハム(58億米ドル)と過去最高を記録した。
エミレーツ・グループは今後の成長戦略として、2025-26年期にエアバスA350型機16機とボーイング777フレイター型機4機を納入予定。ネットワークの接続性および需要に応えるための輸送能力を強化するとしている。また、エアバスA380型機、ボーイング777型機、エアバスA350型機を対象とした改修プログラムも加速させる方針だ。
持続可能性への取り組みも進めており、ロンドン・ヒースロー空港およびシンガポールにおいて初めて持続可能な航空燃料(SAF)を調達。ドイツの航空輸送に関する再生可能エネルギーイニシアティブ「aireg」にも加盟した。
エミレーツ航空・グループ会長兼最高責任者のシェイク・アハメッド・ビン・サイード・アル・マクトゥーム殿下は「2025-26年期に、新たな年度を期待と楽観をもって迎えている。堅調な財務基盤により、これまで成功したビジネスモデルをさらに発展・拡大することが可能だ」とコメントしている。