
国土交通省は5月20日、第24回「日本鉄道賞」の募集を開始した。鉄道に関する優れた取り組みを表彰する制度で、今年で24回目を迎える。応募期間は6月20日まで。10月中旬に表彰式を予定している。
「日本鉄道賞」は、鉄道に対する国民の理解と関心を深め、鉄道の更なる発展を期することを目的に2002年に創設された。鉄道開業130周年を記念して設けられた表彰制度だ。
対象は、鉄道に関する取り組みを実施した事業者、団体、個人。施設整備やサービス向上の取り組みだけでなく、鉄道を題材にした映画、楽曲、アート、写真集、テレビ番組などのクリエイティブな作品も含まれる。幅広い分野からの応募を募っている。
選考は「鉄道の日」実行委員会内の表彰選考委員会が行う。委員長には加藤浩徳東京大学大学院工学系研究科教授が就任。小倉沙耶一般社団法人交通環境整備ネットワーク審議役、須田昌弥青山学院大学経済学部教授など、学識経験者や業界関係者計8名が選考にあたる。
選考基準は多岐にわたる。鉄道の魅力を強く発揮している取り組み、革新的なサービスや技術を導入した取り組み、地域の活性化に大きく貢献している取り組みなどが挙げられる。また、安全・安定性の確保、感染症対策の強化、防災対策の強化など、利用者の安心感向上につながる取り組みも重視される。
さらに、訪日外国人の受け入れ環境整備や、カーボンニュートラル、グリーントランスフォーメーションなど環境負荷軽減に資する取り組みも評価対象だ。専門家だけでなく、一般ユーザーや国民に強くアピールする点も重要な選考ポイントとなっている。
応募方法は電子メールでの受付。応募書類はMicrosoft Office PowerPointで作成し、取り組みの内容や成果、実施時期、特長、効果などのアピールポイントを記載する。写真や図、映像、音楽を用いた説明も可能だ。
応募作品は一次選考の書類審査を通過後、8月5日に予定される二次選考でオンラインヒアリングが行われる。最終的に選ばれた受賞者には、10月中旬に開催予定の「鉄道の日」祝賀会で賞が授与される。
国土交通省鉄道局鉄道サービス政策室の担当者は「鉄道の魅力向上や技術革新に貢献する取り組みを広く募集している。業界の枠を超えた斬新なアイデアにも期待したい」とコメント。応募に関する詳細情報は国土交通省のウェブサイトで公開されている。業界関係者のみならず、鉄道ファンや一般の方々からの応募も歓迎しているという。