
アドベンチャーワールド(和歌山県白浜町)は4月24日、同園で暮らす4頭のジャイアントパンダが2025年6月末頃、中国四川省の成都ジャイアントパンダ繁育研究基地に帰国すると発表した。帰国するのは、母親の「良浜」(24歳)と娘3頭の「結浜」(8歳)、「彩浜」(6歳)、「楓浜」(4歳)。30年続いた日中共同プロジェクトの契約満了に伴う措置だ。
帰国の背景には、高齢期に差し掛かった良浜の健康管理がある。成都の研究基地の専門家から、高齢パンダのケアに適した施設や医療体制が整う中国での生活が望ましいとの意見を受けての決定だった。一方、3頭の娘たちは将来の繁殖を目指し、新たなパートナーを探すため帰国する。
4頭は出発前の約1か月間、隔離検疫を受ける予定。この期間中、パンダの姿はガラス越しでの公開となる。詳細な日程や公開方法については、決定次第改めて発表するとしている。
アドベンチャーワールドでは1994年から始まったジャイアントパンダ保護共同プロジェクトが昨年9月に30周年を迎えた。園側は「プロジェクトの継続を強く願っており、ジャイアントパンダの保護のためにさらなる貢献をするため、その実現に向けて中国側と協議を続けていく」としている。
今回帰国する4頭は、いずれもアドベンチャーワールドで生まれ育った。良浜は2000年9月6日生まれで、園内初のパンダ誕生として注目を集めた。結浜は2016年9月18日生まれで、出生時の体重197グラムは園内最大。彩浜は2018年8月14日生まれで、逆に出生時75グラムと最小だった。楓浜は2020年11月22日生まれで、コロナ禍での誕生が人々に希望を与えた。