
下部ホテルで開かれたオープニングセレモニー
「体験×温泉旅館」共存型リゾートへ
山梨県身延町、下部温泉の下部ホテル(矢崎道紀社長)は、体験型リゾートの展開を目指すMAGMA(東京都渋谷区、福永祐大社長)と業務提携した。MAGMA社が下部ホテル内の一部スペースに、子ども向けアクティビティを多数提供し、ファミリー層をターゲットとする体験型の宿泊ブランド「MAGMA RESORT Shimobe」をオープン。温泉旅館内に別のブランドが共存する「体験×温泉旅館」の新たなビジネスモデルに挑戦する。
下部ホテルは、別館客室「裕林亭」の7室のうちの6室と、利用頻度が低下していた大宴会場、レストランをMAGMA社に貸し出している。
下部ホテルの矢崎社長は「単なるスペースのレンタルではなく、旅館の可能性を広げる大きなチャレンジ。温泉旅館と体験リゾートの融合によって新しい価値を提供し、地域活性化にもつなげたい」と述べた。
下部ホテルの外観
「MAGMA RESORT Shimobe」は4月1日にオープン。5~12歳の子どもがいるファミリーをターゲットに、1泊2日の滞在中に子どもたちを魅了する10種以上のアクティビティを提供する。入浴は下部ホテルの温泉施設を利用。料理の提供なども下部ホテルに委託している。
アクティビティは、自然体験やクラフト体験、知育、エンターテインメントなどの要素を盛り込んだ独自のプログラムを提供する。例えば、鳥の鳴き声に似た音を出すバードコールづくりとハイキング、魚釣り体験、トランポリン、赤外線を使ったシューティングゲームなど。
アクティビティには、地域の企業や関係者と連携することで、当地ならではの伝統文化に触れる体験も盛り込む。地元の伝統的な産業である鹿革に漆で模様付けする甲州印伝、打ち上げ花火製造などをテーマにアクティビティを開発。地域の経済や文化の振興にも貢献していく。
子供たちに提供するアクティビティのイメージ
「MAGMA RESORT Shimobe」の宿泊料金は、大人2人、子ども1人のファミリーで1泊2食付き15万円ぐらいから。料金には食事、温泉、宿泊に加えて1日10種類以上のアクティビティが含まれる。当面の宿泊受け入れの目標は年間千組。これ以外に、他の宿泊施設に泊まった旅行者の日帰り利用なども見込む。
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