
道路管理のDX化推進、民間利活用に期待
国土交通省は5月12日、全国の直轄国道約2,600カ所で観測している交通量データをAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)で公開すると発表した。道路関係データのオープン化を推進する「xROAD」の取り組みの一環だ。
データ活用による道路管理の効率化・高度化を目指す。常設型のトラフィックカウンターやAI型のCCTVカメラで計測した方向別交通量を、5分間値および1時間値で提供する。観測から約20分後に順次取得可能となる仕組みだ。
APIは日本道路交通情報センター(JARTIC)のウェブサイトを通じて無料で利用できる。ただし、事前に利用規約への同意が必要となる。5分間値は過去1カ月分、1時間値は過去3カ月分のデータが取得可能だ。
提供データには観測地点の位置情報も含まれ、GeoJSON形式またはCSV形式で出力される。これにより、地理院地図やGISソフトなどでの可視化も容易になる。利用者は取得したい時間帯や地理的範囲を指定してデータを取得できる。
国交省は同日、「道路データプラットフォーム」も公開した。ここでは交通量データを地図上で確認することが可能だ。最新データは現在時刻の約30分前、過去データは3カ月分まで閲覧できる。
今回のデータ公開により、民間企業による新たなサービス開発や、研究機関による交通分析の高度化などが期待される。国交省は「オープン・イノベーションによるサービスの発掘を促進したい」としている。
データの精度については、「一定の精度が確保されている箇所をオープン化の対象としているが、観測条件等により変動する場合がある」と注意を促している。利用者は各データの特性を理解した上で活用することが求められる。
詳細情報や利用方法については、JARTICの「『国土交通省交通量API』ガイダンスサイト」で確認できる。国交省は今後も道路関係データのオープン化を進め、xROADの取り組みを通じて道路管理のDX化を推進していく方針だ。