
記念撮影に応じるラボット氏(中央)
トルコの航空会社、ターキッシュエアラインズは、イラン・イラク戦争時のイランの首都テヘラン駐在日本人救出から40年目の節目を記念したドキュメンタリー作品「Kushimoto―串本―」の完成を記念し、4月23日、京都市内のホテルで試写会や記者会見などを行った。
イラン・イラク戦争のさなかの1985年3月、テヘランに取り残された200人以上の日本人が、イラク軍の攻撃が迫る中、トルコ航空(現ターキッシュエアラインズ)の特別機で救出された。
作品は町の住民の体験談や両国の歴史家のインタビューに加え、救出作戦に携わったパイロットや客室乗務員、救出された日本人の証言などで構成されている。
同社は「作品はオスマントルコ帝国の軍艦、エルトゥールル号海難事故の際、和歌山県串本町の人々が行った救助活動にちなんで付けられたもの」という。
試写会に出席した串本町の田嶋勝正町長は「二つの史実が日本とトルコの友好の礎になっていることを誇りに思う。このことを子供や孫たちに伝え、受け継いでいく」と話した。
1890年、エルトゥールル号が和歌山県沖で沈没、乗組員500人以上が死亡。この時、同町の人たちが救助活動を行い、生存者69人をトルコまで送り届けた。作品はこの事故への恩返しの意味もある。
会見したアフメット・ボラット教授(取締役会長兼執行委員)は「日本は(われわれにとって)単なる一つの市場ではなく、共通の歴史における重要な国」と強調した。また、中長期経営戦略も発表し、2033年までに(1)売上高500億米ドル達成(2)保有機を813機に拡大(3)国際線就航地を345カ所に増加―などを目標に掲げた。
同社は現在、131カ国・353空港に就航し、474機を保有している。同社を利用する日本人旅行者は13万人を超え、今年は20万人を目指すとしている。
記念撮影に応じるラボット氏(中央)