
国土交通省は5月8日、令和7年ゴールデンウィーク期間中の全国直轄国道における交通量データを発表した。全国で最も交通量が多かったのは神奈川県横浜市の国道16号(保土ケ谷バイパス)で、1日平均13万7900台を記録。前年比100%と横ばいだった。また観光地周辺では静岡県富士宮市の国道139号が平日比204%と高い伸びを示し、行楽需要の大きさをうかがわせる結果となった。
全国上位は大都市圏に集中
4月26日から5月6日までの11日間を集計期間とした今回の調査では、各地点の交通量に顕著な傾向が表れた。全国トップの保土ケ谷バイパスに続き、第2位は愛知県大府市の国道23号(10万9300台/日・前年比102%)、第3位も愛知県刈谷市の国道23号(9万5800台/日・前年比102%)が占めた。4位は福岡県福岡市の国道3号(8万5100台/日・前年比101%)、5位は兵庫県加古川市の国道2号(8万400台/日・前年比101%)と続き、上位は三大都市圏とその周辺に集中した。
交通量の最大値を日別で見ると、上位5地点はいずれも8万台以上を記録。特に保土ケ谷バイパスでは4月26日に14万9600台という突出した数値を示し、GW初日の交通集中を浮き彫りにした。愛知県の国道23号2地点も4月26日に最大値を記録しており、連休初日の移動が顕著だった。
観光地では平日の2倍超の交通量も
WISENET2050の政策集に基づくサービスレベル評価の一環として実施された今回の調査では、観光地周辺の交通量増加率にも注目が集まる。直前の平日(4月23日・24日)と比較した交通量比では、静岡県富士宮市の国道139号(富士山本宮浅間大社周辺)が204%(1万台/日)と最も高く、千葉県安房郡鋸南町の国道127号(鋸山周辺)が198%(8100台/日)、北海道上川郡上川町の国道450号(旭川紋別道・層雲峡周辺)が186%(9400台/日)と続いた。
神奈川県小田原市の国道1号(箱根湯本、小田原城周辺)も147%(2万台/日)と大きく増加。佐賀県伊万里市の国道497号(伊万里周辺)も137%(1万4600台/日)を記録し、全国各地の観光名所で交通量が大幅に増えた実態が明らかになった。
データ収集は全国約2600箇所に設置されたトラフィックカウンター(トラカン)により実施。超音波式やループコイル式の常設トラカンに加え、道路管理用CCTVカメラの画像からAIを活用して交通量を測定する「CCTVトラカン」も活用された。高精度なデータ収集により、時間帯別の小型・大型車両の交通量まで把握できている。
国土交通省では、今回の交通量データに続き、ETC2.0プローブデータ(車の速度データ)の分析も進めており、約1週間後を目途に第2弾として公表する予定だ。これらのデータは今後の道路整備計画や交通政策の立案に活用されるという。