
15のイベントを4つの視点で検証、近隣集客型か中長距離集客型かを判別
公益財団法人東京観光財団は30日、東京都立大学と協力し、都内訪問者の行動傾向を分析したレポートVol.3を公表した。株式会社ブログウォッチャーが提供する人流データを利用した観光動態分析ツール「おでかけウォッチャー」を活用し、都内15のイベントについて、その効果を試行的に分析した内容だ。
レポートでは、イベントの定量的効果を測るために4つの分析視点を用いている。日別来訪者数分布・ランキング、来訪者の居住地からの距離帯、周辺スポットへの波及、時間帯別の来訪者数ピークだ。これらの視点から、各イベントを「近隣集客型」と「中長距離集客型」に分類した。
分析の結果、地域で伝統的に実施されているお祭りやイベントは多くが「近隣集客型」となる傾向にあることが判明。一方、全国的な知名度や季節的なイベントは「中長距離集客型」と分類できる傾向にあった。
特徴的な傾向が見られたイベントとして、中央区の「つきじ獅子祭」が挙げられる。通常の週末と比較し、祭り期間は来訪者が大幅に増加。大多数の来訪者が40km未満の距離帯からであり、「近隣集客型」と言える。一方、港区の「泉岳寺義士祭」は、義士行列が行われた12月14日の来訪者数が群を抜いて多く、40km~300km以上の距離帯からの来訪者数も多いことから、「中長距離集客型」と考えられる。
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