
留学制度や技能五輪への高い関心、国際連携の新たな一歩
専門学校日本ホテルスクール(東京都中野区、理事長・校長 石塚 勉氏)は4月24日、カザフスタン共和国から教育関係者23名を視察団として迎え、学校視察および教育交流プログラムを実施した。視察団の強い要望に基づく今回の訪問。日本の職業・技術教育の特色を探るとともに、同校の教育システムの理解を深めることが主な目的だった。
ホスピタリティ教育に高評価
視察団を迎えた日本ホテルスクールは、プリンスホテルがホテリエの育成を目的として開校した「プリンスホテルスクール」を前身とする。来年、創立55周年を迎える同校は、これまでに約14,800名の卒業生を輩出。ホテル・ブライダル分野における人材育成の日本を代表する教育機関として知られている。
当日のプログラムでは、同校の特色あるホスピタリティ教育や国際プログラム、技能五輪での実績などが紹介された。石塚勉理事長・校長が、創立背景や実践的なカリキュラム構成について説明。視察団からは特に留学制度や技能五輪への取り組みに関する質問が多く寄せられた。
技能五輪国際大会に同校卒業生が日本選手団として出場した実績の紹介時には、場内から拍手が沸き起こるなど、強い関心が示された。視察団代表者からは「日本ホテルスクールのホスピタリティ教育に深い感銘を受けた」との称賛の言葉があり、交換留学など具体的な提携の申し出もあった。
使節団からの質問に答える石塚校長
相互提携へ調印、国際連携の新展開
校内施設見学では、同校の充実した教育環境を体感。各所で記念撮影も交えながら、同校が大切にしている”現場力の養成”について理解を深めた。
視察後には、国際的な学術・専門的な協力の発展に相互の関心を表明。教育および文化交流の分野における交流の推進を目的とした覚書を調印した。これは両国の教育連携における新たな一歩となる。
今回の視察を受け、同校は今後の展望について次のようにコメントしている。「海外から本校の教育制度や実績に対して高い関心を寄せていただいたことは、私たちにとって大きな励みです。国内外の接点をさらに広げ、国際的な教育交流を促進することで、今後求められるグローバルな視野を持った人材の育成に取り組んでまいります。学生にとって有益な教育プログラムをともに創り上げるパートナーシップを築いていければと考えています。」
調印式
グローバル人材育成への期待
今回の視察と相互提携は、日本の専門教育の質の高さを国際的に示す機会となった。特に、ホスピタリティ業界における人材育成の重要性が世界的に認識される中、日本ホテルスクールの取り組みが注目を集めたことは意義深い。
カザフスタンとの教育交流は、両国の学生にとって新たな学びの機会を提供するだけでなく、異文化理解や国際的な視野の拡大にもつながる可能性がある。ホテル業界のグローバル化が進む中、このような国際連携は、将来的に両国の観光産業の発展にも寄与することが期待される。
また、技能五輪への取り組みに対する高い関心は、職業教育における技能の重要性と、その国際的な評価の高まりを示している。日本の職業教育のモデルが海外に広がることで、グローバルな人材育成の標準化にも影響を与える可能性がある。