東京メトロ、環境問題解決に向け2回目の「グリーンボンド」発行へ


 東京地下鉄株式会社(東京メトロ)は4月28日、気候変動緩和や資源循環に向けた取組みを一層推進するため、2回目となる「グリーンボンド」を2025年5月に発行すると発表した。発行予定額は100億円。調達資金は鉄道事業における環境問題解決に資する施策に充当する。脱炭素社会実現に向けた同社の取組みが本格化する。

鉄道をより環境にやさしく

 今回のグリーンボンド発行は、東京メトログループのマテリアリティ(重要課題)に関連する取組みへの認知度向上とともに、調達資金を環境問題解決に役立つ施策に充当することで、SDGs達成に貢献することが目的だ。

 東京メトロは、主要事業である鉄道事業が多くの電力を消費する特性から、マテリアリティの一つに「脱炭素・循環型社会の実現」を掲げている。このグリーンボンドの適格クライテリアには、クリーン輸送、気候変動への適応、エネルギー効率、再生可能エネルギー、グリーンビルディングなどのカテゴリーが含まれる。

 具体的な充当対象は、新型車両導入や車両改造・更新、線路整備・改良・更新、運行関連電気設備の整備・改良・更新、駅舎の新設・移設・改良などだ。主な事業例として、レール交換、信号設備改良(CBTC化)、変電所及び電気室の改良・更新、半蔵門線18000系の新型車両導入、南砂町駅改良、渋谷駅移設などが挙げられている。

 東京メトログループは長期環境目標「メトロCO₂ゼロ チャレンジ 2050」において、「2050年度 実質ゼロ」を掲げている。2024年度には、2030年度目標を当初の50%削減から53%削減(2013年度比)に引き上げた。削減に向けては、省エネを更に推進するとともに再生可能エネルギーへの大規模な転換を進める方針だ。また、2024年4月からはインターナルカーボンプライシングを導入している。

第三者評価も取得

 今回のグリーンボンド・フレームワークは、国際資本市場協会(ICMA)のグリーンボンド原則2021や環境省のグリーンボンドガイドライン2022年版に基づき策定された。フレームワークの原則等への適合性については、第三者評価機関である株式会社格付投資情報センター(R&I)からセカンドオピニオンを取得している。

 本グリーンボンドの社債名称は「東京地下鉄株式会社第63回社債(一般担保付)(グリーンボンド)」。年限は未定で、主幹事証券会社はSMBC日興証券株式会社、野村證券株式会社、三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社が務める。

 東京メトログループは中期経営計画「Run!〜次代を翔けろ〜」において、事業活動を通じてサステナビリティ重要課題の解決から創造されるバリューを提供し、『次の「あたりまえ」と「ワクワク」を』というビジョンの実現を目指している。今回のグリーンボンド発行も、その取組みの一環と位置付けられる。

 
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