
持続可能な「いばらき観光」を目指して
2022年から3年間にわたり展開してきた「茨城デスティネーションキャンペーン」(以下、DC)は、コロナ禍明けの絶好のタイミングで実施することができ、JRをはじめ、県や市町村、地域の事業者が一体となり、多くの体験コンテンツの創出に取り組むとともに、本県観光の魅力を強力にアピールしてまいりました。DCでは、県内各地域で創意工夫を凝らした千を超える企画が生まれるなど、オール茨城で地域の持つ観光資源の特性や強みを見極め、それを柔軟な発想と大胆な行動力で磨き上げることで、人と消費を呼び込めるという「手応え」が得られたと考えております。
こうしたDCの効果もあり、2023年における本県の観光消費額は、前年から21%増加し、コロナ禍前の19年比でも44%増と過去最高を更新したほか、外国人延べ宿泊者数についてもコロナ禍前の19年比で10%増となるなど、観光需要は国内外とも急速に回復しております。
このような中、DC後も本県観光を持続的に発展させていくためには、インバウンド需要のさらなる拡大等を見据えながら、社会状況の変化に柔軟に対応するとともに、新たなニーズやトレンドを的確に捉え、国内外の観光需要をしっかりと取り込む「稼げる観光地域づくり」を推進していく必要があります。
このため本県では、DCに続く次の展開として、本県ならではの「花絶景」や「体験」等をテーマに、コンテンツの差別化に係る磨き上げや、外国人観光客の受け入れ環境整備等の支援、本県観光の新たなイメージの形成・ブランディングを進めるとともに、フラッグシップとなるホテルや常設型の観光施設の誘致など、民間資本を活用した集客力の高い拠点づくりを進めているところです。
また、インバウンド需要の取り込みに向けては、県内に良質でバラエティに富んだゴルフ場が多いことから、ゴルフ需要が高い韓国をメインターゲットにゴルフツーリズムに力を入れているほか、訪日リピーターが多い台湾については、旅行博への出展や商談会の実施、インフルエンサーを活用した情報発信など、国や地域のニーズに応じて、戦略的に誘客施策を進めております。
茨城県としては、持続可能な「いばらき観光」のさらなる飛躍を目指し、地域との連携を一層強化しながら、3年間で培ったDCの成果を最大限に活用することで、国内外からの誘客と観光消費の拡大を推進し、「稼げる観光地域づくり」を加速させていきたいと考えております。
久保三千雄氏