
大阪・関西万博で海洋保全の重要性を訴える巨大アート
一般社団法人タラ オセアン ジャパンは5月2日、2025年日本国際博覧会(以下、大阪・関西万博)のフランスパビリオンで、特別展示「大阪海獣」を開催すると発表した。フランス人アーティスト ジャン・ジュリアンによる本展示は、2025年5月15日から6月12日までの29日間、実施される。
海洋研究と保全活動を行うタラ オセアン財団の取り組みの一環。アクサグループの支援のもと、CofrexおよびNANZUKAと連携し、海洋保全への想いを発信する。
巨大な”やさしい海獣”が海の世界へ誘う
展示の中心となるのは、200m2を超える空間に浮遊する巨大な”やさしい怪獣”「大阪海獣」だ。船と海洋生物の中間のような、人の姿を思わせるこの不思議な存在が、来場者を未知なる海の世界へと導く。
ジャン・ジュリアンの作品は、ユーモラスかつ鋭い視点から、現代社会と自然環境の関係性を問いかける。日本の現代カルチャーにも着想を得た彼のユニークなキャラクターたちが、詩的な世界観の中で、まだ私たちが十分に知らない”海”とのつながりを描き出す。
タラ オセアン財団 オーシャン・リテラシー部門ディレクターのミリアム・トマは、「大阪・関西万博は、文化を越えていのちを守り、海を守り、世界の多様な文化を称える機会となるでしょう」とコメントした。
万博と国連海洋会議をつなぐ取り組み
本展示は、6月9日から13日に実施される「オーシャンウィーク」のハイライトを飾る企画でもある。同期間中、フランス・ニースでは国連海洋会議(UNOC)が開催される。タラ オセアン財団は国連特別オブザーバーとして積極的に参加する予定だ。
UNOCは、海洋が直面する地球規模の課題に対して、各国が協力し、具体的な政治的解決策を提案することを目的としている。大阪・関西万博は、世界中の人々、特に日本の来場者に向けて「海を守ること」の重要性を伝え、共に未来を考える機会となる。
さらに、タラ オセアン財団が2026年に開始する新たな探査プロジェクトの発表の場ともなる。このプロジェクトは、地球温暖化の影響を受ける東南アジアのサンゴ礁におけるレジリエンス(回復力)に関する調査を目的としている。
アーティスト ジャン・ジュリアンについて
1983年フランス生まれのジャン・ジュリアンは、イラストレーション、絵画、彫刻、インスタレーション、写真、映像、書籍、衣類、デザインオブジェなど、ジャンルや形式を横断する幅広い表現で知られている。
彼の作品は、The New York Times、National Geographic、ポンピドゥー・センター、Hermèsなど、数多くの国際的メディアやブランドとのコラボレーションでも評価されている。アーティストとしても、世界各地で個展を開催し、ユーモアと温かみ、そして鋭さを併せ持つ独自の世界観が高く評価されている。
ジュリアンのビジュアル・ランゲージは、アカデミックな美術教育に加え、日本の漫画やフランスのバンド・デシネ、さらに著名なイラストレーターたちからの影響を受けて形成された。アート、デザイン、ポップカルチャーの枠を超えた遊び心に富んだ創造性が、彼の作品の根底にある。