
大久保氏
観光経済新聞社は4月17日、観光業界の識者を招いてのオンラインセミナー「観光経済新聞チャンネル」の第34回配信を行った。narrative(ナラティブ)代表取締役の大久保泰佑氏が、「文化財と地域資源を活用した持続可能な観光まちづくり」をテーマに講演した。
大久保氏は、政策投資銀行で観光ファンド組成などに関わった後、古民家再生による宿泊施設の開発などを手がける一般社団法人ノオトに理事として合流。2018年に株式会社ナラティブを設立し、奈良豊澤酒造の酒蔵を再生したSAKE HOTEL「NIPPONIA HOTEL 奈良 ならまち」、奈良最古のしょうゆ蔵を再生した「NIPPONIA 田原本 マルト醤油(しょうゆ)」、銭湯を中心とした泊・食・湯分離のまちづくり「GOSE SENTO HOTEL」などを企画、開発、運営している。
同社の基本理念は「文化財をまもる、いかす」「文化財を活かす世界最高の専門家集団になる」。大久保氏は、「バックエンド、ミドルエンドのノウハウや人的リソースはナラティブが提供し、現場運営には地元の方を採用し、任せている。地域の方々が参画してくれなければ、まちづくりはできないし、宿泊客、訪問客に真のホスピタリティを提供することができない」と述べ、地域住民の理解と積極的参加の重要性を強調した。
ナラティブは奈良県以外での事業も行っており、東京大学赤門前の本郷の旅館「鳳明館」の再生も現在手がけている。
大久保氏