
中学86%、高校76%
全国修学旅行研究協会は、2021年度に全国の中学校、高等学校で実施された修学旅行の実態を調査し、そのまとめとなる報告書「2021(令和3)年度 コロナ禍と修学旅行」をこのほど発行した。実施率は中学校が85.4%、高等学校が76.1%となり、20年度の56.0%、31.3%から上昇。「コロナ禍1年目の経験と対応策を基に、修学旅行の実施率は飛躍的に回復した」と同協会。
20年度の修学旅行は、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により多大な影響を受け、多くの学校で中止の判断を余儀なくされた。特に海外への修学旅行は皆無となった。
報告書によると、全国中学校の修学旅行実施校は8544校。実施率は85.4%だった。
公立中学校の修学旅行実施校数は8134校で実施率は88.1%。私立中学校の修学旅行実施校数は410校で、実施率は52.7%となった。
全国で89万7043人(公立85万6320人、私立4万723人)の生徒が修学旅行に参加。参加率は83.9%となっている。
全国高等学校の修学旅行実施校は3727校。実施率は76.1%だった。
公立高等学校の修学旅行実施校数は2817校で実施率は79.2%。私立高等学校の修学旅行実施校数は910校で、実施率は67.9%。
全国で64万2118人(公立47万7114人、私立16万5004人)の生徒が修学旅行に参加。参加率は63.6%だった。
■中学校での変容
21年度の中学校の修学旅行について、旅行方面はコロナ前の状態には戻っていない。高等学校以上に「近隣」での修学旅行が中心となっており、長距離の移動や手段、人気観光地を避けるなどのリスク回避策を十分に練った旅行としている。
実施期間についても基本的には2泊3日の実施が多くを占めるが、1泊2日の修学旅行、日帰りの修学旅行もある。中には日帰り旅行を複数回実施した例もある。
■高等学校での変容
高等学校では、いずれの都道府県も修学旅行の「中止」は大幅に減少した。各学校が修学旅行の実施に向けて努力をしたことが見て取れる。県によっては、全ての学校で実施したところもあった。
コロナ禍2年目は、前年度のリスク回避による修学旅行中止の考え方から、その中でいかに修学旅行を実施する方法を模索するかという考え方へと転換。コロナ禍1年目で学んだ感染対策を取り、安心安全の確保をした上で、旅行先をはじめ、その内容の熟慮が行われた。