JTBは12月20日、2017年の旅行市場の見通しを発表した。「景気は回復基調にあり、旅行意欲も堅調で、休日の日並びも良い」(同社広報室)ことなどから、国内旅行人数は前年比で0・4%の微増となる2億9800万人と予測する。
17年は、ゴールデンウイーク(GW)と正月を除く週末の3連休が6回と前年より1回多い。GWは5月1日と2日を休めば9連休となる。月末の金曜日に午後3時の退社を促し、買い物や旅行などの時間を創出する「プレミアムフライデー」の効果も期待される。
国内旅行の話題としては、名古屋市にレゴブロックのテーマパーク「レゴランド」が4月にオープン。5月にJR東日本の「トランスイート四季島」、6月にJR西日本の「トワイライトエクスプレス瑞風」と、新しい寝台列車が東西で運行を始める。都市部やリゾート地で新しいホテルの開業も予定されている。
国内旅行の平均消費額は0・3%増の3万4920円、国内旅行消費額は0・8%増の10兆4100億円と推計する。
16年の訪日外国人旅行者数は22・1%増の2410万人と予測。17年は、円安が続けば日本への旅行をしやすい環境となるが、中国やアジアの経済状況が変化すれば旅行の動向に影響する。伸び率は鈍化し、12・0%増の2700万人と見込む。
海外旅行人数は、やや円安に転じていることから前年並みの1700万人と推計。2月からの燃油サーチャージの復活などで旅行の単価が上昇し、平均消費額は3・8%増の24万7200円、海外旅行消費額は3・7%増の4兆2千億円となる見通しだ。