JTBは12月20日、2014年の旅行市場の見通しを発表した。国内旅行については、人数は2億9150万人と前年対比0.2%の微増。消費増税や円安、原油高などの影響やシニアを中心とした充足感を得られる質の高い旅行を求める動きから、旅行消費額は人数の伸びを上回る5.3%増の10兆3900億円と推計している。
4月の消費増税で、増税前の駆け込み需要が期待される。増税後の落ち込みも懸念されるが、企業業績回復のすそ野が広がり、失業率の改善、株高、賞与増など後半の盛り返しが期待される。
消費マインドは、東日本大震災をきっかけとした、節約する部分とお金をかける部分とのメリハリ消費がさらに進む。シニアの消費や旅行意欲はある程度底堅いという。
3月に日本一の超高層ビル「あべのハルカス」が開業、年後半にはユニバーサル・スタジオ・ジャパンにテーマパーク「ハリー・ポッターの魔法の世界」がオープンし、大阪への注目が高まる。東京でも日本橋・八重洲地区の「COREDO室町2・同3」、虎ノ門・新橋地区の「虎ノ門ヒルズ」など複合ビルの開業が相次ぎ、都市部への旅行が増えると見込まれる。
訪日旅行は、円安傾向の継続に加え、富士山や和食が世界遺産に登録されるなど日本への関心の高まりから、回復傾向が続くと予想。過去最高の13年よりも14.3%の増加となる1180万人と推計している。
海外旅行は2.1%増の1780万人、消費額では5.2%増の4兆8700億円を見込む。