
観光庁が1月31日に発表した宿泊旅行統計調査の結果、2016年11月の外国人延べ宿泊者数(第2次速報値)は前年同月比4・0%減の512万人泊となった。訪日外国人旅行者数は増加が続いているが、延べ宿泊者数は前年同月の実績を2カ月連続で下回った。
16年11月の訪日外国人旅行者数は188万人で同13・8%の増加だった。旅行者数は右肩上がりで伸びているが、外国人延べ宿泊者数の前年割れは16年に入って8、10月に続く3度目だ。
旅行者数の伸びに宿泊者数の伸びが連動しない主な要因は、クルーズ船の寄港増加に伴う船舶観光上陸、宿泊旅行統計調査で把握できない民泊などの拡大とみられる。
16年11月の外国人延べ宿泊者数を都道府県別に見ると、25都府県が前年同月の実績を下回った。都市、地方の比較では、三大都市圏(東京、神奈川、千葉、埼玉、愛知、大阪、京都、兵庫の8都府県)が2・3%の減少、地方部(三大都市圏以外)が6・8%の減少だった。
外国人延べ宿泊者数の上位の都道府県は、東京都がほぼ前年並みの138万人泊、大阪府が0・3%増の76万人泊、北海道が2・4%増の33万人泊、京都府が4・7%減の33万人泊、沖縄県が19・3%減の24万人泊など。
延べ宿泊者数を国・地域別に見ると、中国が12・8%減の102万人泊(全体に占める割合21・6%)、台湾が10・4%減の74万人泊(同15・6%)で、構成比の上位2カ国・地域が2桁の減少率となった。
他の主な国・地域は、韓国が7・1%増の62万人泊、香港が3・7%増の41万人泊、米国が8・9%増の37万人泊、タイが7・1%減の20万人泊などだった。
一方、16年12月の外国人延べ宿泊者数は第1次速報値で、前年同月比5・3%増の593万人泊。数値が変動する可能性はあるが、前年同月比ではプラスになっている。