11年の旅行業倒産、前年比40%の増加


 帝国データバンクによると、昨年1年間(2011年1〜12月)の旅行業者の倒産(負債1千万円以上の法的整理)は49件で、前年比40.0%増と、大きく増加した。SARSやイラク戦争の影響で、2000年以降で最多となった2003年の50件に迫る高水準だった。負債1億円未満の小規模倒産が8割を占め、同社では「国内旅行が不調となった影響が出ている」としている。

 震災関連倒産は6件判明している。倒産全体に占める割合は12.2%。

 負債総額は26億1300万円で、前年比51.5%減と、ほぼ半減した。大型倒産の減少が顕著で、負債5億円以上の倒産は2006年以降、5年ぶりに発生しなかった。ただ、負債5千万円未満が32件と最も多く、負債5千万円から1億円未満を合わせた小規模業者で39件、全体の8割を占めた。

 資本金別では、「個人」と「1千万円未満」を合わせた零細企業が15件で、倒産全体に占める割合は30.6%。2000年以降で最高となった。

 「小規模企業は国内旅行の取り扱い比率が高く、震災後に国内旅行が不振となった影響がより強く表れた結果となった」(帝国データバンク)。

 負債トップは海外旅行開発(破産、3月)の2億7300万円。以下、イーグル観光(破産、8月)の2億6300万円、コンフオート(破産、4月)の1億7千万円。倒産の経緯では、インターネット予約の普及に加え、海外旅行の不振が響くケースが目立った。比較的規模の大きい企業では海外旅行の取り扱いが多く、過去の原油高や新型インフルエンザの流行などの影響も受けた。

 地域別では、関東(23件、構成比46.9%)、近畿(17件、同34.7%)が多く、近畿は2000年以降で最多となった。関東と近畿の2地域だけで全体の8割を超えた。中部(1件、同2.0%)は2002年以来の低水準。北海道と四国は1件も発生しなかった。

 今年の動向について帝国データでは「個人旅行、インターネット予約の普及や、航空券手配のコミッション収入減などで、小規模企業にはいっそう厳しい環境となるだろう」としている。

 
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