帝国データバンクはこのほど、全国企業対象の景気動向調査の特別企画として、2010年の景気見通しに対する意識調査を行った。それによると、同年に悪化局面を見込む企業は回答全体の35.4%、踊り場局面とする企業は同34.7%で、両者が3割超で拮抗している。回復局面とする企業は8.6%にとどまった。同年の景気への懸念材料は42.5%が物価下落と回答。景気回復のため必要な政策は雇用対策が47.7%で最多だった。
2010年の景気見通しを企業の規模別でみると、回復とする回答は大企業が9.3%、中小企業が8.4%と、大きな差は見られない。半面、悪化とする回答は、大企業が30.7%、中小企業が36.9%と、開きが出ている。小規模企業では44.2%と4割を超えている。規模の小さい企業ほど、2010年も厳しい経済状態が続くとみている。
業界別では、悪化は建設が51.8%と高くなっているが、製造や不動産、運輸・倉庫など10業界中7業界で踊り場とする回答が悪化とする回答を上回った。
地域別では、東北(44.1%)、北海道(43.9%)、四国(40.7%)で悪化が4割を超えた。
2010年の景気に悪影響を及ぼす懸念材料を聞いたところ(3つまでの複数回答)、物価下落(デフレ)が42.5%を占め、最多となった。以下、為替(円高)40.0%、雇用(悪化)39.6%、所得(減少)36.6%、株価(下落)22.9%が続く。
景気が回復するためにどのような政策が必要か聞いたところ(複数回答)、雇用対策が47.7%で最も多かった。次いで、物価(デフレ)対策34.7%、所得の増加33.8%、個人消費拡大策の継続(エコポイント制度やエコカー減税など)33.1%、公共事業費の増額32.5%、個人向け減税31.3%、法人向け減税31.2%。
調査は11月、全国企業2万1638社を対象に、毎月の景気動向調査とともに行った。回答数は1万521社で、回答率48.6%。