国際機関・団体などに関する統計をまとめているUIA(国際団体連合)の調査で、日本の2010年の国際会議開催件数が国別で世界2位となった。前年の順位は5位だった。開催件数は741件で前年より203件増加した。政府が観光立国推進基本計画に掲げた「11年までに(05年比で)5割以上増やす」とした目標を1年早く達成した。
UIAの調査結果(暫定値)は、日本政府観光局(JNTO)を通じて発表された。国別の開催件数の上位は、1位がアメリカで936件、日本に続く3位がシンガポールで725件、4位がフランスで686件、5位がベルギーで597件だった。日本はアジアでシンガポールを抜いて首位になった。
日本の開催件数の増加要因について、JNTOは、(1)アジア地域の学会が成長し、会議需要が増加した(2)アジア太平洋経済協力会議(APEC)、生物多様性条約締結国会議(COP10)の開催地で関連会議の需要が発生した(3)「JAPAN MICE YEAR」と位置づけて官民で誘致活動を実施した結果、国内会議への外国人参加者が増加した──などを挙げた。
開催件数として集計する国際会議の要件は、UIAが参加者数、参加国数、開催期間などの基準を定めているが、基準は07年統計から変更された。07年6月に閣議決定された観光立国推進基本計画の目標はUIAの旧基準に基づく。旧基準に当てはめると、日本の開催件数は05年が168件だったが、10年は309件となり、5割以上の増加を達成したことになる。