
国際観光振興機構(JNTO)は1月28日、07年の訪日外客数が前年比13.8%増の834万9千人と過去最高を更新したと発表した。初めて800万人台に達した。ビジット.ジャパン.キャンペーン(VJC)宣伝効果や円安基調、査証緩和措置などを好要因として、アジアを中心に大幅に伸びた。
国.地域別では韓国が同22.8%増の260万800人となり、1999年以来の9年連続で首位。訪日客全体の31.2%を占めた。査証免除効果や円安基調といった背景の他に韓国の歌手ユンナさんを起用したVJC効果が大きく貢献した。
台湾は同5.8%増の138万5200人。航空座席供給量の増加、台湾と石垣島、那覇を結ぶクルーズ船「スーパースター.リブラ」の運航が07年に再開され、訪日台湾人の増加に影響を与えた。
中国は同16.2%増の94万3400人で初の90万人台を記録。好調な経済、国交正常化35周年イベントの開催などが増加要因とみられる。香港は同22.7%増の43万2100人。JNTOは「香港から日本各地へ、プログラムチャーター便を含むチャーター便が多数運航され、訪日香港人の大幅増につながった」という。
タイは同33.2%増の16万7500人と大幅な伸びを示した。07年は日タイ修好120周年、日タイ観光交流年の年であり、多彩なイベント開催などが訪日旅行を誘発した。
シンガポールは同31.0%増の15万1800人を記録。オーストラリアは同14.0%増の22万2500人。訪日スキー旅行の人気が後押しし、訪日客の大幅増に結びついた。
一方、米国は同0.1%減の81万5900人にとどまった。「訪米日本人の減少、日米航空路線が05年冬季から縮小傾向などが訪日旅行の伸び悩みとなった」。
カナダは同5.4%増の16万6千人。英国が同2.5%増の22万1900人。ドイツは同8.6%増の12万5300人、フランスが同16.9%増の13万7700人だった。フランスはVJCの一環で実施した社員旅行が好調だった影響などがプラスに作用した。
07年12月単月の訪日外客数は同15.5%増の67万6800人。市場別では韓国が同13.2%増の20万9千人、台湾が同8.4%増の9万3千人、中国が同7.3%増の5万3500人、香港が同31.4%増の4万8600人と大幅な増加を示した。米国は同10.7%増の6万4600人、カナダは同12.8%増の1万6200人、ドイツは同21.7%増の8600人、フランスは同20.6%増の9900人。
出国日本人数では07年が同1.3%減の1729万8千人で円安基調が続き、海外旅行に割高感が働いたことや、40歳未満の出国減が日本人数全体の伸びを押し下げた。12月単月は同0.8%減の137万2千人だった。
