長野県飯山市の信州いいやま観光局は、長期滞在客の誘致を目指す「節電 涼・山・泊(りょうざんぱく)」プランの販売を6日に開始した。実施期間は7〜9月。原発事故に伴う電力需給のひっ迫を踏まえ、昨年初めて企画した宿泊プランを今夏も展開する。5泊、10泊、15泊と長期に滞在するほど宿泊料金は割安になる。長期滞在を楽しめるプログラムなども提供する。
斑尾高原、信濃平、戸狩温泉、北竜湖、なべくら高原、飯山市街地の6エリアにある約30軒の宿泊施設が対象。滞在中は、市内5カ所の日帰り入浴施設が入り放題になるほか、ブナの森が広がる斑尾やなべくらの高原のトレッキングツアーの参加費も無料になる。
長期の滞在を満喫してもらえるように2次交通にも配慮。飲食店や交通事業者と連携し、ジャンボタクシーなどを使用して市内の夜間の移動に便利な「ナイトシャトル」を運行する。今夏初の特典としては、市内のレンタカー会社と提携し、レンタカー利用の際に特別料金を適用する。
料金はどの宿泊施設に滞在しても一律。2人1室利用で朝食付き、税・サービス料込みで5泊が2万8千円、10泊が5万4千円、15泊が7万8千円。信州いいやま観光局のホームページ「飯山旅々」から販売する。申し込みは出発の10日前まで。
昨年のプラン参加者は25組61人。10泊の参加者も9人に上った。高齢の夫婦、家族などが中心。家族の中には母子で長期滞在し、土・日曜だけ父親が参加するという利用もあった。参加者のほぼ全員が無料のトレッキングツアーに参加したという。
このプランの展開には、2015年春の北陸新幹線「飯山駅」の開業をにらみ、長期滞在型の観光を確立しようという狙いもある。信州いいやま観光局では「滞在の魅力を向上させるため、飯山市周辺の地域とも広域的に連携して観光地域づくりに取り組みたい」としている。