
グループワークの様子
東京都は7日、東京都庁で「ロケ受け入れ担当者育成講習会」開催した。映像を使って東京の魅力を国内外にアピールすることでシティーセールスに繋げようと、観光部が主導して2010年から開催している。今年度3回目となる講習会では、ロケ受け入れの要となる「撮影規約書」について、セミナーとグループワークが行われた。
同講習会は、東京都が設置したロケ撮影支援組織である「東京ロケーションボックス」に登録している民間企業や市区町村などのロケ受け入れ担当者らが、ロケの誘致から版権交渉、ロケの対応など、ロケにまつわるさまざまな事柄を毎年内容を変えて学んでいる。
今年度3回目の講習会では「撮影規約書」についてセミナーとグループワークを行った。ゲストとして松竹経営情報企画部の小林敬宜氏と、テレビドラマ「半沢直樹」などの制作会社マックロータスの露崎裕之氏が出席した。
両氏は制作者側からの意見を述べ「ロケ対応をしっかりやってもらえたら、シーン写真の貸し出しなど、配給会社との交渉を手伝おうという気持ちになる。受け入れ側の熱意が極めて重要だ」と強調した。
第一部では地域活性プランニング社長の藤崎慎一氏によるオリエンテーションが行われた。第二部では受け入れ実績によって初級編と中級編に分れて意見を交換した。
初級編では撮影規約書にどのような項目を盛り込むか討議され、トラブル回避のために気を付けるべきことや実際に起こったトラブルなどを発表した。
撮影時間については「バラエティー番組などは時間通り進まないことを想定して、撮影隊のその日一日のスケジュール表を事前にもらっておくことが重要」(区観光協会)、シーン内容については「事故を防ぐため、台本や絵コンテを必ず事前に確認する」(鉄道会社)、「シーン内容を事前に確認しなかったため、内容がイメージにそぐわないものだった。カーテンを閉め切って撮影してもらった」(ブライダル会場)などの意見が出た。
その他にもマナーや破損、紛失、現状復帰、支払い方法、撮影保険などについても各業種から経験に基づいた意見が出され、撮影規約書の重要性について確認した。
中級編ではアプリケーションを使ったロケ地マップ作りについて話し合われ、情報の更新のしやすさや、印刷部数が限られないこと、どこでも手に入ることなどのメリットが発表された。
同講習会は来年1月下旬に第4回が開催される予定。来年度の開催につては4月以降決定する。

グループワークの様子