兵庫県豊岡市は、市民が観光客として東日本大震災の被災地を訪れ、現地で消費活動をすることによって復興を支援する「東日本大震災被災地支援ツアー」を企画した。ツアーは近畿日本ツーリスト(KNT)福知山支店が受託し、10日から参加者の募集を開始した。
市政策調整課は「市が前面に出て復興支援ツアーを行うのは県内でも初めて。全国的にも珍しいと思う」と説明。
ツアー実施は12月2〜4日の2泊3日。初日は伊丹空港から空路で仙台空港に入り、中尊寺などを観光。宮城県南三陸町のホテル観洋に宿泊する。2日目は被災者とともに同町内を視察、佐藤仁町長と面会後、町内の仮設商店街や石巻市内を観光し、松島町のホテル松島大観荘に宿泊。3日目は瑞厳寺などを訪れた後、豊岡市に戻る。中貝宗治市長も2日目から参加する。
ツアーは、「主に南三陸町の視察を中心にしたい」とする市の希望を受けてKNTが造成した。費用は1人5万7千円。実費(6万4800円)との差額は市が補助する。市民限定で募集人数は40人。
市は今年7月、被災地に市職員を派遣したが、地元関係者から「観光に来て、被災地の状況を知って、経済復興を支援いただきたい」と要請があったのを受けて今回のツアーを企画した。