観光庁、国内旅行税制を創設へ


 観光庁は、国内観光旅行を活性化するため、来年度の税制に、旅行費用の一部を所得税額から控除する「国内観光旅行税制」の創設を目指すことを明らかにした。8月31日、財務省に提出した税制改正要望に盛り込んだ。税制の創設に対応する形で、国民の国内観光旅行を促進する法制度も整備する方針だ。控除措置の具体的な要件は検討中で、需要拡大への効果などを精査し制度設計を進める。

 観光庁は、経済情勢の悪化などで旅行需要が「急速に減退」している現状を踏まえ、所得税の特例措置として国内観光旅行税制の創設を要望。これにより国民1人当たりの国内宿泊観光旅行の回数を現状の年間1.5回から2014年度までに3回に増やすことを目標に掲げている。

 所得控除の対象となる旅行の要件、限度額、控除率などは未定。減税効果などをシミュレーションして制度の詳細を詰める。国内観光旅行税制の創設と合わせて整備する法制度に関しては、「具体的な内容は検討中。新法などを含めて幅広く検討し、国内観光旅行を促進する仕組みとしたい」(観光産業課)。

 国内旅行の所得控除措置については、これまでも日本観光旅館連盟、国際観光旅館連盟、全国旅館生活衛生同業組合連合会が、旅館3団体連名または単独の税制改正要望として、国や与党に創設を求めてきた。昨年度の3団体連名の要望書でも「国内旅行の需要拡大は、地域の振興・活性化、国民の健康増進に寄与する」として創設を要望していた。

 政権交代により来年度予算の概算要求や税制改正要望が白紙に戻る可能性もあるが、国内観光旅行税制が実現すれば、旅行消費を押し上げる効果が期待できそうだ。特に宿泊を伴う観光旅行の回数、宿泊数が増加すれば、地域経済への波及効果も見込める。

 
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