
軍艦島でガイドの説明を聞くクルーズ参加者
新しい長崎体験するツアー 県や観光連盟が企画
長崎県と県観光連盟などは、11月17日から19日にかけて「長崎県・長崎市プレスツアー―100年に一度の変化期にある長崎市を巡る旅―」を実施した。「生まれ変わりつつある新しい長崎を体感する」が今ツアーのコンセプト。参加者は、海に面し独特の景観を形成する長崎市内を中心に各所を巡り、同市の既存の観光資源に加え、新たな観光関連施設を訪問し、誘客に向けた同市の取り組みを体感した。
西九州新幹線長崎駅の外観(右)と工事中の駅構内
長崎市は今年4月に「開港450周年」を迎え、10月に「長崎市恐竜博物館」、11月には「出島メッセ長崎」「ヒルトン長崎」がそれぞれ開業するなど変化期を迎えている。
来秋には「西九州新幹線」が開業予定で、向こう数年間にわたり観光を中心に大きな誘客が見込まれている。今ツアーでは、変わりゆく同市の新たな観光資源となり得る施設を中心に訪れ、西九州新幹線長崎駅の工事現場の視察などを行った。
初日は市内の野母崎エリア、伊王島エリアを中心に訪問。長崎市恐竜博物館は海に臨み、「ティラノザウルスなどの展示が背景の海原と一体となり、ここにしかない景色を形作っている」と同館。近隣に位置し、全室から軍艦島を望めるホテル「Nomon長崎」とともに、野母崎エリアの観光スポットとして注目を集めている。
長崎市恐竜博物館の館内。海を背景に唯一無二の景観を織りなす
その後訪問した「i+Land nagasaki(アイランド ナガサキ)」は伊王島の自然を感じられるエンターテインメントリゾートで、宿泊施設、スパを有し、トゥクトゥクで島内を周遊できるアクティビティを用意するなど、同島の魅力を堪能できる施設となっている。
2日目は端島(軍艦島)や稲佐山を中心に訪問。軍艦島クルーズでは、かつて海底炭鉱で栄え、現在は世界文化遺産の一部となっている同島の歴史に触れ、上陸後には廃墟となった住居や学校の校舎などを見学。当日は多くの修学旅行生がガイドの先導のもと各廃墟に目を向けながら、同島が明治から昭和期にかけて果たした産業的な役割を学んでいた。
軍艦島でガイドの説明を聞くクルーズ参加者
稲佐山では山頂エリアが「INASA TOP SQUARE」と名付けられ、参加者はレストラン「ITADAKI」から、世界新三大夜景に認定された同市の夜景を眼下に眺めながら夕食を取った。
3日目は朝の過ごし方を提案する「朝たび長崎」事業の一つ、中島川シーカヤックを体験した後、西九州新幹線長崎駅の工事の様子を視察。
「長崎県内では(新)大村駅、諫早駅、長崎駅が開業する予定で、いずれも地元と連携し周辺事業の整備を進めている」「特に、出島メッセ長崎とヒルトン長崎が開業し、サッカースタジアムを中心に複数施設を建設する『長崎スタジアムシティプロジェクト』が進行するなど、長崎駅周辺は大きく変わる」と同県。よりスムーズな県内移動実現に向け、「島原半島直行乗合タクシー」「島原半島フリーきっぷ」「西九州フリーきっぷ」などの2次交通に関する展開についても説明した。
その後、参加者は、歴史的な寺社や町家が残る市内の中島川・寺町エリアを散策。最終訪問地の花見料亭「梅ヶ枝荘」(大村市)では、地元伝統の祝い寿司(ずし)、大村寿司を作る工程を見学した。