民泊新法、政省令を公布~条例制限、届け出書など規定


 住宅宿泊事業法(民泊新法)の政省令が10月27日に公布された。民泊新法の施行日は来年6月15日。都道府県、保健所設置市、特別区の条例による民泊(住宅宿泊事業)の実施制限では、基準が政令に規定され、都道府県が制定の際、市町村の意見を聴取することが省令に定められた。省令では、民泊事業者の届け出書、管理業者、仲介業者の登録申請書などの様式、年間提供日数の算定や実績報告などに関する事項が規定された。

 施行日は来年6月15日だが、準備行為として、民泊事業者の都道府県などへの届け出、管理業者の国土交通省地方整備局への登録、仲介業者の観光庁への登録は、来年3月15日に受け付けが始まる。

 新法では、民泊の年間提供日数の上限は180日と規定されている。ただし、都道府県、保健所設置市、特別区の条例でさらに実施を制限できる。政令には、制限は「区域ごとに」「期間を指定して行う」と定められた。

 実施制限の基準は、区域の指定では「土地利用の状況その他の事情」を勘案し、期間の指定では「宿泊に対する需要の状況その他の事情」を勘案し、「民泊に起因する騒音の発生その他の事象による生活環境の悪化を防止することが特に必要」な場合と規定。具体的には、今後公表されるガイドラインに示される。

 民泊を制限する条例を制定する際、都道府県は「あらかじめ、条例の案を市町村に送付しなければならない」とし、送付を受けた市町村は「都道府県が指定する期日までに意見を提出する」と省令に規定された。

 民泊の年間提供日数の算定方法は、4月1日に始まる1年間に人を宿泊させた日数を数えると規定。正午から翌日の正午までを1日と算定することから、条例の制限がない場合には、年間180泊までとなる。

 民泊事業者は、都道府県に宿泊実績の定期的な報告が義務付けられている。省令では、毎年の偶数月の15日までに前の2カ月分の宿泊日数、宿泊者数、延べ宿泊者数、国籍別の宿泊者数の内訳を報告することが定められた。

 省令では、都道府県などに民泊の届け出を行う際の届け出書の様式が示されたほか、住宅が賃貸物件である場合には転貸の承諾書、住宅がマンションなどの場合には民泊を禁止する規定がないことを示す管理規約の写しなどの添付が義務付けられた。民泊事業者が玄関などに掲示する標識は、家主居住・不在などの区分ごとに様式が定められた。

 管理業者、仲介業者の登録申請書の様式も定められた。仲介業者の禁止行為では、取引を行う民泊事業者が都道府県などに届け出を行った者であるかどうかの確認を怠る行為などが規定された。

 政省令の公布に向けて国土交通省、厚生労働省は、案の概要に対するパブリックコメント(意見募集)を行った。9月21日~10月11日の期間に859件の意見が提出された。寄せられた意見を踏まえ、制度運用の詳細は、観光庁などで現在策定中のガイドラインに示される。 

 
 
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