
あいさつする小高社長
旅館・ホテルに特化し、設備投資や改装工事、社員研修、販売促進などのコンサルティングを行うリョケン(静岡県熱海市、佐野洋一社長)は12月12、13の両日、千葉県木更津市の龍宮城スパ・ホテル三日月で「旅館大学セミナー」を開講した。全国から旅館経営者、幹部ら約220人が参加した。
セミナーは、今回が160回目。12日は、2016年に新築した「富士見亭」を中心とした館内見学と、ホテル三日月グループ社長の小髙芳宗、専務の小髙秀元両氏に加え、龍宮城総支配人の藤縄光弘氏によるリレー形式の講演が催された。
ホテル三日月グループは1961年の創業で、昨年7月に急逝した元会長の故小髙芳男氏が、社長に就任してから業績が拡大。千葉県内にある3軒(勝浦、鴨川、木更津)と、栃木県日光市に旅館を構えるほか、太陽光発電事業なども手掛けるようになった。
芳宗氏は、故芳男氏のもとで従事し、銀行交渉などを担っていたため、比較的スムーズに事業継承が行えたことなどを報告。また、「内部留保ができた段階で、次の投資に向かう」とし、ベトナムのダナンに500室のホテル新築を進めていることも明らかにした。秀元氏は、快晴の日には富士山が望める富士見亭ロケーションを生かすため「ロビーを充実させた」などと報告。藤縄氏は、ドローンを使った動画を制作し、ウェブを使ったプロモーションの強化を進めているとした。
13日は、リョケンの「平成30年旅館の経営指針」を発表。基調講演をした佐野社長は、「住宅宿泊事業法(民泊新法)」や「旅館業法の大幅改正」など現在の旅館業界をとりまく動きを解説。併せて、ほかの施設にはなく、消費者に価値として認められる独自の商品づくりの必要性を提唱した。