
展示会をPRする(左から)刀匠・川崎晶平氏、平井知事、花山院宮司
鳥取県と春日大社(奈良市)はこのほど、春日大社「古伯耆物」を中心とした日本刀や7月29日から米子市美術館で開催する展示会「大山山麓の至宝」展をPRする共同記者発表会を東京都内で開いた。鳥取県の平井伸治知事や春日大社の花山院弘匡宮司らが出席。展示会では、国内最古級の日本刀で春日大社所蔵の「古伯耆(安綱)」の里帰り展示などを行う。
発表会で平井知事は「先日、春日大社にある宝物から、かつて伯耆国にいた刀工『安綱』の作が新たに公表された。その太刀『安綱』を8月の大山開山1300年祭に合わせてお披露目できることになった。展覧会では伯耆安綱の刀剣や大山ゆかりの宝物を展示する。ぜひ訪れて美しさに触れてほしい」と来訪を呼び掛けた。
花山院宮司は「安綱は、2002年に春日大社の宝庫で発見され、昨年に人間国宝の刀剣研師である本阿弥光洲氏によって研磨された。南北朝~室町時代初期に足利氏から奉納されたと言われている。今回は、約900年前に製作された伯耆の国に里帰りする。加工されずに残るこの稀有な名刀とぜひ出会ってほしい」と語った。
展示会では、安綱の里帰り展示のほか、国(文化庁保管、重要文化財)、東京国立博物館蔵(重要美術品)などの「安綱」在銘の太刀が3口一堂に展示される。開催は8月26日まで。
伯耆国「大山開山1300年祭」事業の一つとなる「『大山』の恵みを感じるプロジェクト」では、「日本刀」「たたら」をテーマに大山の歴史、文化について発信している。
展示会をPRする(左から)刀匠・川崎晶平氏、平井知事、花山院宮司