日本観光協会が主催し、国際観光旅館連盟、日本観光旅館連盟、全国旅館生活衛生同業組合連合会、リョケン共催の「ネット集客対策実践セミナー」が4日、大阪市内で開かれた。旅館関係者など約150人が参加した。
セミナー前半(初級コース)では、佐野洋一・リョケン本部長が「ネット集客対策の基礎と今」のテーマで講演した。
佐野氏は、インターネットについて、個の旅行需要を拾い上げるのに最適なツールであり、今後販売のメーンチャンネルになっていくと説明。流通の寡占化を招く恐れがあるため、対処として、直接取引の魅力づくりやファンの囲い込み、販売スキルの向上などを挙げた。また、ネットで市場サイズの見極めができること、市場へのアプローチができることを生かして、ニッチな市場を狙うことを提案。例として、企業が泊り込みで会議や新商品の開発などをする「開発合宿」にマッチする旅館のサービスを挙げた。
続いて、加藤慎介氏(インテグリティ)は「ネット直販対策のスキルI」のテーマで講演。(1)ホームページ(HP)は、宣伝も予約も一手に担う1人の「ネット女将」として育てていく必要があること(2)HPのアクセス解析は、見えない損失を見せてくれる、現状分析の最強ツールである(3)SEOは、見込み客が知りたいことに応えているネット女将かどうか、これからは検索結果を見込み客が決める時代になる(4)見込み客にしか表示されないリスティング広告は、やらないでいると、見込み客との接触機会を大きく失う、と話した。
セミナー後半(中級コース)も引き続き加藤氏が「ネット直販対策のスキルII」のテーマで講演。アクセス解析で重要な点として「アクセス解析はただのデータではない。そこには貴社サイトに対するユーザーの気持ちや御社の損失が表されている」。ネット予約倍増を実現する上で重要なことは「ネットで予約を獲得するためには、館名を覚えていただき、再訪問を促すこと」と「ユーザーが求めていることを知り、貴社は何を打ち出せるのか」と話した。
その後、小林一弘・ネットフロンティア会長が「ネットでFITを集客しよう!」のテーマで講演を行った。海外からの個人旅行客を集客するためのネットを活用した対策を紹介。ターゲットは、アジア圏では台湾、香港。英語圏ではアメリカからの旅行客であると話した。海外の検索エンジンの種類や海外向けHPの基本的な考え方を紹介した。