宿泊4団体、外国人労働者の雇用促進に向け協議会設置


宿泊業外国人労働者雇用促進協議会の初会合。観光庁の担当課長らも出席した

 宿泊業4団体は11日、外国人材の受け入れ・活用策を探ろうと、合同の会合を日本旅館協会会議室(東京都千代田区)で開き、「宿泊業外国人労働者雇用促進協議会」を立ち上げた。旅館・ホテル業が直面する深刻な人手不足などの課題を踏まえて団体の枠を越えて連携。4団体の会員を対象にしたアンケート調査の実施などを含めて検討を重ね、2016年度末までに具体的な取り組みの方針をまとめる。

 協議会を構成するのは、日本旅館協会(針谷了会長)、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連、北原茂樹会長)、日本ホテル協会(小林哲也会長)、全日本シティホテル連盟(JCHA、藤野公孝会長)。各団体から1人ずつ、副会長、労務問題の担当委員長などが検討委員に就任し、11日の初会合に出席した。

 協議会の設立趣旨について、日本旅館協会労務委員長の山口敦史氏は「地方を中心に労働力が不足している。宿泊業界では十分な労働者を確保するのが困難になっている。限られた労働市場をいろいろな業界で奪い合う状況の中、一定数の外国人労働者を受け入れることが必要だ。宿泊業界全体で取り組みの方向性を考えたい」と述べた。

 初会合では検討委員が意見交換。旅館・ホテル業では、業態による多少の違いはあるものの、あらゆる職種で人手が不足している状況を確認した。自社でのスタッフ確保が難しいほか、客室清掃などの業務を外部委託しても、委託先の企業の人員が不足しているケースもあるという。宿泊客の受け入れ、サービスの維持・向上への影響が懸念されている。

 人手不足を背景に外国人の雇用への期待は高まっている。ただ、外国人の就労をめぐっては、旅館・ホテルの現場での業務の多くが、本来は高い技能を必要とするにもかかわらず、いわゆる「単純労働」と見なされ、在留資格が許可されないことなどを課題に挙げた。現行の制度では、専門的な能力が必要とされる業務以外の単純労働への就労には制約が多い。

 日本旅館協会の山口氏は「現行法では、外国人単純労働者などの受け入れが厳しく制限されているが、国内の生産年齢人口の減少が加速度的に進むことを考えれば、早期に制度の見直しを図り、外国人労働者に門戸を広げることが、インバウンドの政府目標と政策上の整合性を持たせることになる」と指摘した。

 同協議会では、政府が推進する「働き方改革」の議論にも注目している。9月27日に初会合が開かれた政府の「働き方改革実現会議」(議長・安倍晋三首相)の検討テーマの中に「外国人材の受け入れ」が挙がっているためだ。非正規雇用の処遇改善、賃金引き上げと労働生産性の向上、長時間労働の是正など、九つの検討テーマのうちの一つではあるが、有識者を交えた検討を経て、16年度中に実行計画が策定される。

 今後、同協議会では、会員を対象に4団体共通のアンケート調査を実施。人手不足の状況や外国人雇用の意向などを把握する予定。

 同協議会の検討委員は次の通り(敬称略)。

 日本旅館協会=山口敦史(山形県天童市、ほほえみの宿滝の湯)▽全旅連=鈴木吉郎(静岡県熱海市、山木旅館)▽日本ホテル協会=志村康洋(東京都新宿区、京王プラザホテル)▽JCHA=小林磨史(長野県松本市、ホテルニューステーション)▽オブザーバー=全旅連青年部、西村総一郎(兵庫県豊岡市、西村屋ホテル招月庭)

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