
講義をする石森教授
北海道大学は06年12月16、17日の2日間、大阪市北区のハービスОSAKAで公開講座を開催した。テーマは「地域づくりの法則を探る」。4月に大学院国際広報メディア研究科を「大学院国際広報メディア・観光学院」に改称し、新たに「観光創造専攻」を開設するのに先立ち、経済産業省の委託事業として大学院での講義の一部を公開し、公開講座の有効性の実証を試みたもの。
2日間で9回の講座が行われ、大学、地方公共団体などの観光や旅行会社関係者ら約120人が参加した。講師は、北大観光学高等研究センター長の石森秀三教授、北大大学院国際広報メディア研究科の大平具彦教授と筑和正格教授、内田純一助手のほか、熊本大学大学院社会文化科学研究科の佐藤誠教授、金沢工業大学情報フロンティア学部の敷田麻実教授が務めた。
石森教授は講座「観光創造への序章」の中で、05年に中国人外国旅行者数が3千万人を突破し、またソウル、上海、クアラルンプールなどで新空港がオープンしたことなどから、アジア観光ビッグバンが予想を超える形で進展する可能性を示唆した。また、観光立国の実現には産業、情報、文化、環境を総合的に展開した国家デザインの再構築が必要と説明。観光の拡大にはマーケティング機能の強化、官民、そして国と地方の連携が不可欠とした。
さらに石森教授は、個人、参加体験型、滞在型旅行を重視する観光客の動きがあり、国の観光政策はこれに対応できるものであるべきなどと説明した。

講義をする石森教授