
京王電鉄は4月30日、2021年度は鉄道事業に総額240億円を設備投資すると発表した。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響により、今後の事業環境に変化が生じた場合には、見直しを行う場合があります。
【主な取り組み】
1. 安全性の向上
(1)京王線(笹塚駅~仙川駅間)連続立体交差事業
(2)ホーム安全対策
(3)車両・踏切道における防犯・安全対策
(4)耐震補強
(5)自然災害対策
2. サービスの向上
(1)5000系車両の新造
(2)駅のリニューアル
(3)車両のリニューアル
(4)車両設備の多言語対応
3. 環境対策 ・その他
(1)VVVFインバータ制御装置の更新
(2)照明の省エネルギー化
(3)駅舎補助電源装置の増設
(4)駅でのご案内と保守業務におけるDXの推進
1. 安全性の向上
(1)京王線(笹塚駅~仙川駅間)連続立体交差事業
事業主体である東京都および世田谷区・渋谷区・杉並区とともに、京王線(笹塚駅~仙川駅間)連続立体交差事業を実施しています。2021年度は、引き続き用地取得や土留杭の設置、高架橋基礎杭の構築などを進めるほか、新たに下高井戸駅付近と桜上水駅付近で工事に着手し、全8工区のうち6工区で工事を進めます。この事業が完了すると、笹塚駅から仙川駅間の約7.2kmが高架化され、25箇所の踏切が廃止されます。これにより、道路と鉄道それぞれの安全性が向上するほか、交通渋滞の解消や、鉄道によって分断されていた地域の一体化が図られます。
(2)ホーム安全対策
➀ホームドア
お客様のホームからの転落やホーム上での列車との接触事故を未然に防止するため、下北沢駅1番線・2番線へのホームドア整備を進めます。
➁ホームと車両の隙間対策
ホームと車両の隙間を縮小するため、下北沢駅および京王稲田堤駅への転落防止ゴム(くし状型のゴム)の整備を進めます。
➂注意喚起ライン
ホーム縁端部の視認性向上を目的として、高幡不動駅などに注意喚起ラインを施工します。これにより、京王線・井の頭線全駅への整備が完了します。
(3)車両・踏切道における防犯・安全対策
京王線8000系の2編成(16両)に車内防犯カメラを設置します。
また、踏切道内の安全性向上を図るため、障害物検知装置を従来の線検知式から面検知式に更新する工事を進 めます。2021年度は東府中3号踏切道において実施します。
(4)耐震補強
大規模地震に備えて、鉄道施設の耐震性を向上させるため、高架橋や盛土区間、トンネル部(新宿駅~笹塚駅間)などの耐震補強工事や、コンクリート製の電力柱を鋼管柱に更新する工事を引き続き実施します。
(5)自然災害対策
京王線において、駅の落雷対策として避雷針を設置する工事を引き続き実施します。また、保安装置セクションの耐雷性能を向上させるため、落雷による異常な過大電流からの被害を防護する工事を継続して実施します。
2.サービスの向上
(1)5000系車両の新造
ご好評いただいている座席指定列車「京王ライナー」のサービス拡充を図るため、5000系新造車両1編成(10両)の導入に向け製作を進めます。この車両においては、日本初となるリクライニング機能付きロング /クロスシート転換座席を搭載します。
(2)駅のリニューアル
新宿駅新線口改札内のエスカレーターについて、老朽化に伴う更新工事に着手するほか、 府中競馬正門前駅・若葉台駅・多摩境駅において旅客トイレのリニューアル工事を実施します。
(3)車両のリニューアル
車体改修にあわせ、車いす・ベビーカースペースを全車両に拡大します。2021年度は、京王線8000系2編成(16両)の工事を実施します。
(4)車両設備の多言語対応
英語に対応した車内自動放送装置の導入を進めます。2021年度は、京王線8000系の2編成(16両)に導入します。
3.環境対策・その他
(1)VVVFインバータ制御装置の更新
より省エネ性能の高いVVVFインバータ制御装置への更新を行い、運転用電力を削減します。2021年度は、京王線8000系2編成(16両)の工事を実施します。
(2)照明の省エネルギー化
駅構内の照明や車両前照灯のLED化を推進します。2021年度は、高幡不動駅や京王多摩センター駅などのホーム・コンコース照明、京王線9000系車両10編成(20両)の前照灯のLED化工事を実施します。
(3)駅舎補助電源装置の増設
車両がブレーキをかけたときに発生する回生電力を、鉄道施設内の設備で利用可能とする駅舎補助電源装置について、めじろ台駅に設置します。
【設置済み駅】東府中駅・高幡不動駅・北野駅・若葉台車両基地
(4)駅でのご案内と保守業務におけるDXの推進
①改札口における遠隔案内システムの導入
お客さまへの駅でのご案内において、複数有人口がある駅の一部改札口に双方向でコミュニケーション可能なカメラ付き遠隔案内システムの導入を進めることで、新しい生活様式への対応やより効率的な駅運営を目指します。
②維持管理業務のデジタル化
保守業務において、土木構造物や電気設備の維持管理業務デジタル化に向けて、検査システムの構築を進めます。