
GW国内旅行、予約者数9%増 沖縄が人気トップ
東京は宿泊費高騰で前年割れ、隣県にシフト
エイチ・アイ・エス(HIS)は3日、2025年ゴールデンウィーク(GW)の旅行予約動向を発表した。国内旅行の予約者数は前年同期比109.2%と好調だ。人気の旅行先は昨年とほぼ同じ傾向を示している。
今年のGWは日並びが悪く、最大で4連休となる。国内旅行の平均単価は97,300円で、前年同期比97.9%とやや下落した。
予約者数ランキングのトップは3年連続で沖縄県だ。2位は北海道、3位は長崎県と続く。上位10位までは昨年とほぼ同じ顔ぶれだが、順位の入れ替わりがわずかにある。8位に島根県(前年9位)、9位に広島県(前年8位)が入った。
注目すべきは4位の東京都だ。前年を下回る予約者数となっている。インバウンド需要の増加によるホテル宿泊費の高騰が影響しているとみられる。その結果、千葉県や神奈川県など隣県への旅行者が増加。両県とも前年同期比で二桁増となった。
出発のピークは5月3日。4連休初日に当たるこの日が群を抜いて人気だ。次いで4月26日、27日が多い。一方、帰りのピークは5月5日で、次いで5月6日となっている。GW後半の2日間はUターンラッシュで混雑が予想される。
国内旅行の急上昇ランキングでは、高知県が1位となった。前年比200.0%と大幅な伸びを見せている。レンタカーを利用した四国周遊の玄関口として選ばれる傾向が強い。2位は大阪府(185.8%)、3位は熊本県(139.1%)だ。
今回の調査結果から、日本人の国内旅行需要が依然として強いことがうかがえる。特に、沖縄や北海道といった定番の観光地が根強い人気を誇る一方で、高知県や大阪府など、新たな注目を集める地域も出てきている。
東京都の予約減少は、インバウンド需要の回復による宿泊施設の供給不足や価格高騰が影響していると考えられる。この傾向が続けば、首都圏の観光産業に大きな影響を与える可能性がある。一方で、隣県への旅行者増加は、地方経済の活性化につながる可能性もある。
GWの日並びが悪い中でも国内旅行需要が増加していることは、日本人の旅行に対する根強い需要を示している。しかし、インフレや円安の影響で、旅行者の予算や行動パターンに変化が生じていることも見逃せない。