
韓国、台湾、米国など10月の最高値
日本政府観光局(JNTO)が発表した2023年10月の訪日外国人旅行者数(推計値)は、19年同月比0.8%増の251万7千人となった。5カ月連続で200万人を超え、初めてコロナ前の水準を上回った。国による訪日旅行促進の重点市場23カ国・地域では、中国の回復が遅れているが、韓国、台湾、米国など14カ国・地域で10月の過去最高を記録した。統計上は残り2カ月あるが、年間の訪日外国人旅行者数は2500万人前後が見込まれる。
コロナ禍に対する日本の水際対策の大幅緩和から約1年が経過し、訪日旅行需要の回復が進んだ。国際線の23年冬ダイヤ時点でコロナ禍前の約8割まで運航便数が回復し、その後も東アジアを中心に増便、復便が続いている。
10月として過去最高だったのは、韓国、台湾、シンガポール、インドネシア、フィリピン、ベトナム、インド、豪州、米国、カナダ、メキシコ、ドイツ、イタリア、スペイン。このうちカナダ、メキシコ、ドイツは単月で過去最高を更新した。
東アジアでは、韓国が地方路線の増便・復便、秋夕(チュソク)の連休の影響もあり、19年同月比219.9%増の63万1千人となった。19年は日韓情勢の悪化の影響で訪日韓国人旅行者が減少していたため、比較では大幅な増加となっている。復便、増便は仁川―岡山、仁川―鹿児島、仁川―仙台、仁川―米子など。
台湾は19年同月比2.7%増の42万5千人だった。旅行代金は高騰しているが、チャーター便を含む地方路線の増便・復便、紅葉シーズンの訪日需要の高まりでコロナ前を上回った。台北桃園―熊本、台北桃園―成田などで増便。台北桃園―山形、台北桃園―青森などではチャーター便が運航された。
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