
前号では夏の振り返りを行ったが、もう一つ来年に向けての対策として繁忙日の対策について考えておきたい。
この夏に限らず繁忙日になると、ノーショウや直前のキャンセルに悩まされるという相談が多く寄せられる。WEB予約の功罪の罪の部分であるが、ボタン一つで予約もキャンセルも可能な手軽さゆえ、このような事態が起きる。これだけWEB予約が増えてくる世の中であると、数件のノーショウで大損害を被ることもあり得る。
そこで、どのような対策を取ればいいかであるが、お勧めは繁忙日に予約できるプランを事前オンラインカード決済限定にしてしまうことである。事前カード決済になるので、(1)キャンセル料の徴収漏れがない(たとえノーショウでもキャンセル料はカードから徴収できる)(2)お客さま側もキャンセルポリシーを意識するので、直前でのキャンセル化も防止できる(3)事前カード決済なので、宿泊時の精算業務もスムーズに行うことができ、チェックアウト時の混雑緩和も可能になる。と繁忙期においてはプラス要素が多い。
同時にキャンセルポリシーの見直しも必要である。直前のキャンセルに頭を悩ませると言いつつ、キャンセルポリシーの規定が3日前からというケースも散見される。それでは、4日前の直前にキャンセルをされても文句を言えない。
ノーショウやキャンセル対策とは別に、もう一つ「連泊制限」を繁忙日対策として検討してみてほしい。繁忙日には連泊しか受け付けないという設定をかけておくことで、繁忙日のチェックイン&アウト業務を大幅に軽減することができる。うまく設定をすれば、繁忙日の前後の日も取り込めて、稼働を上げることが可能になる。
もちろん制限をかけるということは集客には多少なりとも影響がある。しかしながら、このようなお客さまの予約を取り込んでおけば、ノーショウリスクや繁忙日のオペレーションの改善につながるはずなので、全ての予約とは言わないまでも少しずつ増やしてみてはどうだろうか。次の繁忙日は年末年始になろうかと思うが、ぜひ検討してみてほしい。
(アビリティコンサルタント・プライムコンセプト取締役 内藤英賢)