【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン 595】2022年に取り組むべきこと1 青木康弘


青木氏

 2021年は新型コロナ対策に翻弄(ほんろう)された1年だった。早期の収束が期待されたが一転、回復の兆しも見えないまま1年が過ぎ去ってしまった。今年こそは逆境をチャンスに変える1年としたい。今回コラムでは、2022年に取り組むべきことを紹介したい。

 1、変化に対応できる組織づくりを行う

 新型コロナの流行で改めて露呈したのは、旅館・ホテル、観光業は、外的要因による影響を極めて受けやすい業種であるということだ。伝染病の流行に限らず、国際的な政治紛争や景気変動、地震や津波などの天変地異、国民のマインド変化等の影響を真っ先に受け、その影響度合いも大きい。

 このような外的変化に対応するために社内の組織づくりの工夫が欠かせない。外的変化を敏感に感じ取る機能や、変化に対応するための新たな企画を立案し社内に展開する機能、オペレーションを大胆に変革する司令塔としての機能を組織に埋め込むことが大切だ。

 アフターコロナにおいて、この組織能力の有無が業績に大きな差をもたらすことになるだろう。客層の増減や消費者の嗜好の変化を敏感に感じとり、社内に展開する部門があれば、環境変化を新たな集客のチャンスに結びつけることができる。これまでのようにオーナー一族の知見や努力だけで、変化の兆しをつかみ対応することは難しい。社内に企画部門や担当者を設置することをお勧めする。

 2、新規事業に大胆に取り組む

 自社の事業領域が観光業界に限っていると、外部環境の影響を受けて経営基盤が不安定になりやすい。観光業界を中心としながらも、これまで培った経営資源を生かして新規事業に積極的に取り組むことをお勧めする。事業再構築補助金を活用するのも良いきっかけとなるだろう。

 取り込む分野は市場規模が拡大していながらも競合他社が少ない事業が良い。保有する不動産を活用したビジネスも手堅い。他事業者とコンソーシアムを組んで、自治体のプロポーザルに参加したり、再開発事業に取り組んだりすることも有効だ。

 異業種が果敢に観光業界に進出するのと同様に、皆さまの会社も新分野への展開にチャレンジすることをお勧めする。

 (アルファコンサルティング代表取締役)

 
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