【逆境をチャンスにー旅館の再生プラン 548】2021年に取り組みたいこと2 アルファコンサルティング代表取締役 青木康弘


 前回に引き続き、アフターコロナ下でも収益力の高い施設になるための取り組みポイントを紹介しよう。2020年は新型コロナに翻弄(ほんろう)された年だった。秋口から本格化したGo Toトラベル事業により観光客回復の道筋が立ったかと思いきや、第3波により先行きが不透明になってしまった。2021年中盤までには訪日外国人受け入れ再開やワクチンの普及、オリンピック開催決定などにより正常化を期待したい。

 2、値付けしにくい特長をつくる

 Go Toトラベルの一時中止により、宿泊業の収益基盤の脆弱(ぜいじゃく)性が改めて露呈されることとなった。少ない宿泊客を獲得しようと施設同士で値下げ競争を繰り広げた結果、地域によっては35%の割引幅を超えて宿泊料金の相場が下がってしまっている。

 6月末にGo Toトラベルが期限切れを迎えると、同様の問題が再び発生するだろう。政府や自治体、旅行会社が割引クーポンを乱発した結果、消費者が低価格に慣れてしまっているからだ。バーゲンセール価格が当たり前になってしまい、さらなる値下げを要求する客も目立つようになった。安さ目当てだけの客がリピートしてくれる可能性は極めて低い。あくまで一時的なカンフル剤と割り切って、顧客ターゲットを再設定する必要がある。

 消費者はあらかじめ決めた予算の範囲内で、複数の施設のハード設備や料理、立地、評判などを横比較しながら無意識のうちに値付けしている。その中で最もコストパフォーマンスの高い施設を宿泊先として選択する。この時に、他の施設と似通っている部分が多いと値付けをされやすく、他館よりも安い価格にしておかないと顧客獲得できない。

 価格競争に巻き込まれにくい施設になるためには、他の施設と単純比較できない値付けしにくい特長をつくることである。魅力的で興味を引くものの、お客さまからいくら頂けば分からないことにあえて取り組むことをお勧めする。

 例えば、他の施設にはないユニークな設備やサービス、アクティビティ、珍しい料理、他館にはない郷土色の演出、施設全体で一貫するテーマの設定などが挙げられる。Go Toトラベルが期限切れするまでに、まだ6カ月の猶予がある。今のうちに特長づくりに取り組み、スムーズな業績回復を図りたい。

 (アルファコンサルティング代表取締役)

 
 
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